岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

日々、驚かされてばかりの
子どもたちの好奇心とパワー
キラキラした表情を見るたび
幸せな気持ちになれるんです


羽島市教育委員会生涯学習課臨時職員・羽島市放課後子ども教室コーディネーター
森井路子(もりい みちこ)さん(羽島市)

【2018年5月17日更新】

放課後の子どもの居場所をつくり、子どもたちがさまざまな体験活動を通じて地域の人々と交流できる放課後子ども教室。森井路子さんは、羽島市の放課後子ども教室で、活動の企画・立案・運営を手がけるコーディネーターとして奮闘しています。好きな言葉は、「意志あるところに道はひらける」。夫の転勤で引っ越した上矢作町(現在の恵那市)での人々との出会いから、道がひらけていきました。

見知らぬ土地での新生活
泣いてばかりの日々を過ごす

 平成11年に結婚し、14年間勤務した旅行業の仕事を退職しました。その後は専業主婦となりましたが、ある日、手にした市の広報紙の募集記事に魅せられて、平成18年、羽島市教育委員会生涯学習課の臨時職員に。地域子ども教室コーディネーターとして活動し始めました。ところが夫の転勤が決まり、上矢作町へ引っ越すことになったんです。やりがいを感じていただけに心残りではありましたが、仕事を辞めて転居しました。
 上矢作町は縁もゆかりもない土地で、友人もいません。住まいは職員住宅で単身者が多く、話し相手がいない私は携帯電話が手放せない毎日を過ごしました。まちの山や川など美しい自然風景も、当時の私にはどこか寂しく見えたんです。
 しばらくは、めそめそ泣いていることが多かったですね。しかしあるとき、泣くにも相当なエネルギーを使うことに気がつきました。「どうせエネルギーを使うのなら、この土地で人とつながることに使おう!」。そう思い立ち、人や情報が集まるまちのコミュニティセンターへ飛び込んだのです。

コーディネーターの認定は
まちや人とつながるきっかけに

 新しい土地でも生涯学習に関わりたいと、岐阜県が開催する生涯学習コーディネーター養成講座の受講を決意。自分が住む地域社会の課題をレポートにまとめるため、上矢作町を知ることから始めました。
 生涯学習コーディネーターとは、地域の人々の生涯学習を支援するため、学習情報を提供するとともに、講座や事業の企画・立案をする人のこと。上矢作町内のコミュニティセンターや自治会、学校などいろいろな場所に出かけ、多くの人との温かな出会いを通じて、いつしか私もまちの一員になれた気がしました。
 生涯学習コーディネーターの認定を受けた後は、「生涯を通じて学習することは生きる力、活力になる」という生涯学習の楽しさを伝えることに注力。まちの人々への感謝の気持ちを胸に、恵那市放課後子ども教室「いわっこクラブ」や地域読書活動推進組織「ブックサポーターかみやはぎ」の活動に参加しました。

再び戻ってきた羽島市で活動
子どもたちの居場所づくり

 上矢作町は私にとって第2の故郷であり、大好きな土地。平成22年、再び羽島市へ戻ってきましたが、今でも一年に一度は上矢作町を訪れています。まちの人々が「待っていたよ」と笑顔で迎えてくれ、懐かしく心地良い場所です。
 平成28年、縁あって羽島市放課後子ども教室(前・地域子ども教室)の5校目となる竹鼻小学校「たけはなクラブ」のコーディネーターに着任。小熊小学校「小熊ちふう教室」も加わり、現在は2校を担当しています。
 対象は、小学2年生と3年生の児童。工作やグラウンド・ゴルフ、日本文化の体験、理科や英語、本の読み聞かせ、防災、食育とさまざまな活動をしています。地域の皆さんを講師に迎え、教室は温かい雰囲気に包まれています。
 放課後子ども教室は、国の地域学校協働活動推進事業の一つです。少子化や核家族化、共働き世帯の増加など、子どもを取り巻く環境は、以前私が活動していた頃から変化しています。地域のつながりが希薄になりがちな昨今、子どもたちには活動を通じて人とつながり、自分の居場所を見つけてほしいです。

好奇心いっぱいの子どもたち
実りある体験をしてほしい

 子どもたちとのふれあいは喜びです。好奇心いっぱいの子どもの顔は輝き、力強いパワーを感じます。私たちスタッフは安全・安心を第一に、参加する子ども一人ひとりの表情を観察して見守っています。子どもたちには実りある体験をしてほしいです。
 仕事などで疲れたときは、週3回のヨガで心身を整えてリフレッシュ。図書館が好きで、心に響く本に出合うと、子どもたちに読み聞かせてあげたいなと思います。最近のお気に入りは、「谷川俊太郎・文/和田誠・絵の『ともだち』」。生きていく上で大切な友だちの存在が、優しい言葉と楽しい絵で表現され、大人にもおすすめです。
 今後の目標は、活動プランの開拓です。今まで体験したことがない分野をどのようにして活動に取り入れるか、ワクワク感満載の子どもたちの顔を思い浮かべながら情報収集し、人材確保に取り組もうと計画しています。プライベートでは、個人で行っている司会の活動の継続に努めていきたいです。