岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

ライフスタイルの変化で
子どもをとりまく環境も
変わりつつあります
存続が危ぶまれる一方で
子ども会は不可欠なもの


高山市子ども会育成連絡協議会会長
水野千惠子(みずの ちえこ)さん(高山市)

【2018年6月19日更新】

「高山市子ども会育成連絡協議会」の会長のほか、社会教育委員や生涯学習施設審議会委員、みなみまちづくり協議会社会教育部長も務めるなど、あらゆる活動を通してまちづくりに注力する水野千惠子さん。「高山市子ども会育成連絡協議会」では子ども会の活動を支えるほか、ジュニアリーダーの育成に携わっています。ライフスタイルの変化により、子どもの人口の地域差がある高山市。子どもが楽しめる居場所づくりのために、日々奔走しています。

地域格差を解消すべく
全20地区の子ども会支援に注力

 生まれは、飛騨市神岡町。高校卒業後に、高山市へ出てきて以来、ずっと高山市で暮らしています。現在は、高山市子ども会育成連絡協議会の会長のほか、社会教育委員や生涯学習施設審議会委員、みなみまちづくり協議会社会教育部長も務めています。
 我が子の学校入学をきっかけにPTAの活動に携わるようになりました。子どもが学校を卒業すると同時に、PTAや子ども会との関わりがなくなるのが一般的ですが、「活動で培った経験や知識を、活かしてほしい」とのお誘いを受け、平成14年に高山市子ども会育成連絡協議会に加わり、現在に至ります。それぞれの地区にある子ども会を支援・サポートするのが、協議会の役目。研修・事業の運営をはじめ、子ども会の現状把握など活動内容は、多岐にわたります。
 高山市には20の学区があります。郊外は子どもが多く、中心には少ないなど、地域によって人口差があるのが実情です。地域によっては少子化が進み、子ども会の運営が危ぶまれるケースも。独自で行事が開催できない場合は、協議会が主催するイベントへの参加を呼びかけ、他地区の子どもとの交流の場を設けています。12月の「子ども会大会」は、全地区の子ども会に参加を呼びかけ盛大に開催。各町内の子ども会が活動発表を行うほか、クリスマスカードをつくるクラフト教室なども開き、子どもたちは和気あいあいとしたひとときを楽しみます。

年間を通して、活動中
育成者研修では、不安の解消も

 近年は共働きの家庭が多いため、仕事と子育て、さらに地域活動の両立に多くの方が不安を感じています。そのため、町内会長や青少年育成推進員、子ども会役員を新たに務められる方を対象とした「育成者研修」を毎年5~6月に開催しています。研修会では、全20地区それぞれに、円滑な子ども会運営のための研修を実施。子ども会の情報交換・情報共有も行っています。
 また協議会では、地域の子ども会の行事をサポートする、市内在住の中高生のボランティア団体「ジュニアリーダークラブ」の育成にも携わっています。夏休みには、「ジュニアリーダークラブ研修」を実施。さらなるスキルアップを図っています。ジュニアリーダーの活動をきっかけに、大学で児童心理学を学んだり、福祉関係の仕事に就いたりしたという卒業生も。私たちの活動が子どもの夢を育めたことは、大きな励みとなっています。
 2月には、ボランティアに関する知識を身につけたり障害を持った人に向けての理解を深めたりする「ボランティア講座」を開いています。講座は、中学生が対象。福祉関係の方による講演があるほか、実際に車椅子を利用し介助の仕方を学びます。

「子ども会は、絶滅危惧種」
不可欠な居場所でありたい

 子どもを持ったことで、「高山市子ども会育成連絡協議会」の活動に自然と関わるようになりましたが、原点は幼少期にあるように思います。子どもの頃、ジュニアリーダーのお兄さんやお姉さんと一緒に遊び、楽しかった記憶はいまでも鮮明です。「子ども会は楽しい」という思い出を今の子どもたちにも持ってもらいたいですね。
 少子化が進み、「子ども会は絶滅危惧種」という言葉が生まれる近年。さらに共働きが多く、子ども会に入会しない家庭も増えています。協議会は、「両親が働いていて、家に一人きりでいなくてはいけない」「学校に楽しさを見い出せない」などさまざまな事情を抱えた子どもに、手を差し伸べられたらと常に考えています。過去には、不登校の子が子ども会の活動に参加してくれたケースもあります。「子ども会には自分の居場所がある」と考えてくれる子のためにも、活動をなくすわけにはいかないのです。
 幸いにも、高山市は「地域で子どもを育てていこう」という考え方が浸透しているまち。みなさんのあたたかな支援に支えられながら、今後も活動を続けていきたいですね。

多忙な日々を癒すお花と料理
趣味でエネルギーをチャージ

 高山市子ども会育成連絡協議会のほか、さまざまな活動に携わっているので、なかなかゆっくりする時間がとれませんが、余暇には趣味の華道を楽しんでいます。子育てが落ち着いた頃に稽古を始めて、師範の資格も取得。ゆくゆくは、お花の教室を開きたいなと夢を温めています。私にとってお花は癒しを与えてくれる存在。生け花に限らず、常にお花のある環境に身を置いています。夏には、ひと晩しか咲かない月下美人に魅了されています。
 その他には、料理も好きです。普段は忙しく、ささっと作れるもので済ませてしまうことが多いので、時間があるときには、手の込んだ一品を家族に振る舞っています。美味しい料理とお酒があればストレスも吹き飛びます。自宅の近所で朝市が開かれるので、新鮮な野菜を見ながら、メニューを考えるのも楽しいひとときです。