岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

「運命の分かれ道」はない
自分が選んだ道に
どれだけ没頭できるか
愛情を注げるかで
未来は変わる


岐阜柳ヶ瀬商店街振興組合連合会 副理事長・事業委員長
岡田さや加(おかだ さやか)さん(岐阜市)

【2018年6月22日更新】

岐阜市と名古屋市で飲食店5店舗を経営する岡田さや加さんは、岐阜柳ヶ瀬商店街振興組合連合会副理事長も務めています。組合はじまって以来初めての女性役員として、岡田さんは20年後、30年後の柳ヶ瀬商店街の姿を見据え、イベントの開催や店舗の誘致に力を入れています。

23歳で独立、開業
可能性を感じて商店街へ

 食べることが好きなので、ジャンルに関わらず食を提供する仕事をしたいと思っていました。23歳の時、柳ヶ瀬商店街内にワッフル屋を開店。料理が好きで独立する人と、サービスが好きで独立する人がいると思いますが、私は後者です。
 経営は調子よく、とんとん拍子でショッピングセンターを中心に出店、フランチャイズ展開をしましたが、制約が多い商業施設での経営に息苦しさを感じ、自分には合わないと判断。ワッフル屋は人手に渡して、和菓子屋「ツバメヤ」を開業します。10年ほど前から商店街に軸を置き、店舗展開を始めました。商業施設での経営の経験で、商店街の面白さや可能性を感じたからです。
 何年か前に、商店街の役員にならないかという打診がありましたが、その時は自分の力不足を理由に断りました。今回引き受けたのは、私にもできることがあるのでは、役に立てるのでは、と思えるようになったからです。店子としても初の役員ですが、店子さんの気持ちがわかる、ほかの役員とは違った見方ができるのが私の強みです。
 けんかや言い合いも含めて人の感情に触れ、関わるのが好きです。人にはそれぞれ魅力があり、独自の花を咲かせるものだという意味の「桜梅桃李」という言葉が好きですね。

新陳代謝を図り
商店街の未来をつくる

 一昨年12月には商店主と地元銀行に出資を募り、リノベーションを得意とする建築家や大学教授、町再生のプロフェッショナルと共に「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」を起ちあげました。商店街を変えていくには、スピーディーに物事を進める必要があるからです。創業に携わったメンバーが役員に就任し、私は代表になりました。
 20年後、30年後、商店街が生き残っていくためには、柳ヶ瀬の古くからの魅力を残しながら若い人を呼び込む必要があります。若い人が店を出したくなるように、古い物件をリノベーションし借りやすい形にして貸し出す予定です。役員の頭の中にある景色を、現実のものとし、みんなで共有できれば現状は変化していくはずです。
 人にはさまざまな能力がありますが、私は編集能力があると言われたことがあります。もともとある魅力を引き出し、若い世代にも伝わりやすいアプローチ方法を考える能力や、人には見えないビジョンを捉えられる点が、長所であると自認しています。
 毎月第3日曜日に開催している、手づくりとこだわりをテーマにした「サンデービルヂングマーケット」も、4000人規模のイベントに成長しました。結果を出して信用を積み重ね、柳ヶ瀬に対する周囲の評価を変えていくのもやりがいの1つになっています。

仕事に力を注げる
家族の協力に感謝

 商店街活動の中で夫と出会い、3年前に結婚しました。今は夫と義母との3人暮らしです。家事は義母に任せきりで、こんな恵まれた環境にいられるのは商店街の発展を頑張れという神さまのお告げかな、と捉えています。
 自分が店にいなくても上手く回るようになり、商店街の活動に力を入れられるようになりました。逆に商店街の件で行き詰まっても、店という戻る場所があるのはありがたいです。
 実益を兼ねての食べ歩きが、趣味といえば趣味でしょうか。仕事が趣味のようなものなので、あまりストレスを感じないんです。最近、旅行も好きになりましたが、旅先でもその町の商店街を歩くようにしています。町の空気や、雰囲気を肌で感じるのが楽しいです。

柳ヶ瀬商店街の持つ
魅力を引き出す

 柳ヶ瀬商店街の魅力は、昼と夜の顔があるところ。これからは、夜の柳ヶ瀬も盛り上げていきたいです。それでこそ、柳ヶ瀬商店街にしかない面白さが出るのではないでしょうか。正直、まだまだな部分もありますが、柳ヶ瀬商店街にはポテンシャルがあると信じています。イベントの開催やリノベーション物件のサブリースでも、手応えを感じ始めました。
 よく「運命の分かれ道」といいますが、どちらを選んでも変わらないのだと思っています。自分が選んだ道にどれだけ没頭できるか、愛情を注げるかで未来は変わります。何をやるかではなく誰がやるか、何を言うかではなく誰が言うかが大切だとも思っています。自分が、その「誰か」になれるように進んでいきたいです。