岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

父の影響で車好きに
バスの運転手として
お客様が安心できる運転を
子どもと過ごす時間も大切に


北恵那交通株式会社
早川えりな(はやかわ えりな)さん(中津川市)

【2018年6月22日更新】

中津川市のコミュニティーバスを運転する、早川えりなさん。乗客に対して柔らかな対応を心がけ、無事故と安全運転を常に意識してハンドルを握ります。子育て中の早川さんは、「好きな仕事を頑張る自分の姿を見せたい。2人の子どもにも、好きなことを見つけて頑張ってほしい」と、優しい母親の表情を見せます。

運転が好きで始めた仕事
努力と楽しむ心を忘れない

 2年前に大型二種の運転免許を取り、中津川市でバスの運転手をして1年2カ月になります。車の運転が好きなので、楽しく仕事をしています。毎週火曜から金曜はマイクロバスで中津川市福岡町を巡回するコミュニティーバスを運転し、月曜は路線バスを担当。路線バスの運転は、定員77人の大型バスに乗る時もあります。
 大型二種の免許を取るために通った自動車学校の教習では、技能教習が楽しかったです。乗っているうちにバスの扱いがどんどん身についていき、不安もありましたが、教官から褒められることもあり自信につながりました。
 仕事を始めたばかりの頃は「できるのかな」「大丈夫かな」と周りから言われましたが、精一杯、努力をしながら仕事に取り組んできました。地元なので運転は大丈夫ですが、バス停の場所を覚えるのが大変でした。先輩からの運転や無線のフォローもありがたかったです。バックをする時は、普通車と感覚が違うので、サイドミラーやモニターと睨めっこしながら後方の安全を確認。ワイパーや車内電球の交換などは、先輩のやり方を見て覚えています。いずれは自分でできるようにしないといけませんね。狭い道を走る時などは、対向車の方が快く譲ってくださる場合が多く助かっています。
 仕事中に着用する男性用のジャンパーにはやや抵抗がありましたが、冬は防寒対策にバッチリというメリットもあり、徐々に慣れました。

冬場の運転は特に慎重に
お客様が安心できる丁寧な運転を

 冬場はチェーンの装着があるので大変です。昨年、積雪時の運転では、先輩が横にいてくださいましたが、今年は1人で運転しました。福岡町二ツ森の山の上をコミュニティーバスで運転した時は、20センチくらい雪が積もっていました。利用者のおばあちゃんたちが「よく来たね」「度胸があるね」と声をかけてくれたのを覚えています。
 雪道ではバスが動かなくなってしまいヒヤリとする時がありました。その時は怖かったけれど、お客様を不安にさせないよう表情に出さないように気を付けました。
 山の中でイノシシが飛び出した時は、急ブレーキをかけました。車内のお客様たちが「危なかったね」「びっくりするね」と優しく接してくれたので、ありがたかったです。今後はそのような経験を活かしながら、丁寧な発進とスムーズな停車、無事故・無違反を心がけていきます。車内放送も、もっと上手になりたいです。

親子でバスの運転手に従事
応援してくれる頼もしい存在

 父は大型二種のほか、大型特殊などいろいろな免許を持っており、トラックの運転手を経て、現在はバスの運転手をしています。
 私が車好きなのは父の影響。私は幼い頃から「父のようになりたい」と思っていて、運転手が小学生の頃から夢でした。16歳の時、「自分もバスに乗りたい」と父に打ち明けると、「絶対に無理」と言われました。しかし、いざとなったら父はバスのことを教えてくれ、応援もしてくれました。
 父も私も以前はバイクを所有しており、今は手放していますが「いつか一緒に買って乗りたいね」と話しています。しばらく先になりますが、息子も免許を取得したら、家族でツーリングを楽しみたいですね。

子どもたちにも好きなことを
見付けて頑張ってほしい

 遠方に家族や友人と出かける時、ハンドルを握る事が多く、私生活での気分転換も運転なんです。子どもは、7歳と5歳の男の子が2人います。上の子は読書や物をつくるのが好きで、集中力があって粘り強い性格。下の子は活発で、新しいことにどんどん挑戦していくので、それぞれに個性があって性格は真逆だと思います。
 とにかく優しく元気に育ってほしい。好きな仕事で楽しく頑張りながら、希望と前向きな気持ちの大切さを子どもたちに伝えたい。職場の方々が土曜や日曜は休めるように配慮をしてくださるので、子どもたちと過ごす時間も大切にしたいです。