岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

「より面白い企画を立てたい!」
現状に満足せず
常に新しいことに挑戦
原動力は子どもたちの笑顔


北方みなみ子ども館 児童厚生員
松井梨沙(まつい りさ)さん(北方町)

【2018年7月12日更新】

児童厚生員として、北方みなみ子ども館に勤める松井梨沙さん。木育おもちゃ学芸員、木育インストラクター、ぎふ木育指導員の資格を活かし、月1回のイベント「作ってあそぼう」を企画・運営しています。子どもたちの喜ぶ顔が見たいと、新たなアイディアを考える毎日です。

児童館で遊んだ経験から
児童厚生員の道へ進む

 児童館への就職を意識し始めたのは、大学3年生のころ。京都造形芸術大学こども芸術学科で、子どもの成長と芸術の関わりを学ぶなか、子どもの個性を伸ばす職業に就きたいと考えるようになりました。保育園も候補にありましたが、学校帰り、児童館で遊んだ楽しい思い出が決め手になりました。大学での学びを活かし、今度は自分が子どもたちを楽しませたいと思ったんです。
 新卒として北方みなみ子ども館に就職し、今年で3年目になります。地元の自然をモチーフにした卒業制作をするなど、岐阜に愛着を持っていましたから、卒業後に戻ってくることができてよかったですね。

児童館ならではの経験を
月1回のイベント企画に奮闘

 毎月、年齢別にさまざまなイベントを実施している北方みなみ子ども館。私はさまざまな児童館行事、幼児クラブを担当しながら、ものづくりの楽しさを知ってもらうイベント「作ってあそぼう」に力を入れています。入社1年目に取得した木育おもちゃ学芸員、木育インストラクター、ぎふ木育指導員の資格を活かしてほしいと、発案から運営にいたるまで任されています。
 企画を立てる際に大切にしているのは、子どもが喜んでいる姿を想像すること。児童館でしかできない体験をし、特別な一日を過ごせるよう、案を練っています。
 第1回に行ったのは、タイムカプセル制作。初めての経験に、イベントの進行だけで手一杯になり、参加者の反応を見る余裕は一切ありませんでした。
 予想と全く違う反応が返ってくるときもあり、子どもたちがどんなリアクションをするか、いつも不安は尽きません。次回の改善点として反省するのはもちろん、その日満足して帰ってもらうにはどうすればいいかを考えて行動するようにしています。
 なかなか良い案が浮かばず、イベント準備に余裕がなくなってしまう場合もあります。苦労は尽きませんが、参加者の笑顔を見るのが一番のやりがいです。真っ暗な部屋に、夜光塗料を塗った端材を吊るした「光る深海魚を作ろう」や、段ボールや竹などを使った「秘密基地を作ろう」は特に人気で、イベントが終わった翌日も遊びに来てくれる親子がいました。「次は何を作るの?」と質問してくれる子もいて、「作ってあそぼう」が定着しつつあるのだとうれしく思います。
 
2016年に人形劇団を結成
人形の制作担当として活躍

 参加者を募集し、2016年には人形劇団を結成。私は人形本体の制作を担当しました。素材は建築現場で貰ってきた端材を活用。人形に愛着を持ってほしいと、色塗りなどの仕上げは子どもたちに体験してもらいました。
 童話「オオカミと七匹の子ヤギ」をアレンジした劇は岐阜農林高校演劇部の協力を得て、「岐阜オレンジリボンたすきリレー」の一環として上演したほか、地元の老人ホームでも披露しました。
 素直に扉を開ける子ヤギたちをオオカミが叱るなど、くすっと笑える内容は好評で、現在新作を考案中。子どもたちが持ちやすいよう、人形の重さを軽くするといった反省点は次回作に活かしていきたいですね。
 現状に満足せず、より良いものを目指して努力できるところが自分の強み。子どものためにという思いのもと、自由な発想を受け止めてくれる職場の雰囲気は、とてもありがたいです。館長や先輩たちの応援・協力があってこそ、今の自分があると思っています。
 反対に、自分の考えに自信を持ちきれないのが今の悩み。さらに経験を積み、自信を持って仕事に臨めるようにしていきたいです。