整理収納アドバイザー1級や、親子の片付けインストラクターなどの資格を持つ、吉田奈美さん。あらゆる人の家を片付け、整理整頓のコツを伝授してきました。時には心理カウンセラーの資格を活かして、人々の悩みに耳を傾けてアドバイス。より多くの人が物を片付けながら、心と頭も整理して心の余裕を生み出せるよう、日々奔走しています。
あらゆる観点から片付け方を伝授
講座も開催して人々をサポート
整理収納アドバイザーの資格を活かし、依頼者の自宅をきれいに片付ける「ととのえ」を平成29年に起ち上げました。片付けを通して、より多くの人が笑顔になるよう、依頼者に寄り添ってサポートしています。
時間がなかったり、やり方が分からなかったりして、片付けが苦手な方は少なくありません。整理とは不要な物を取り除くこと、整頓は誰でもわかるように並べることなど、片付けの方法には理論があります。不要な物を見極める効率的な整理方法など、プロとしてアドバイスしています。また、私は心理カウンセラーの資格も持っているので、依頼者がどうして片付けられないのかを心理的に分析。時には悩みを聞き、助言をして、依頼者自身で片付けられるようお手伝いをします。
ほかにも多数の講座を開催しています。「整理収納基本講座」や「キッチン・リビング・ダイニングなどお部屋別お片付け講座」など片付けに関する内容はもちろん、「あと毎月2万円貯金できるマネー講座」、「コミュニケーション心理学」など取得資格を活かした講座も開いています。
起業のきっかけは自身の経験から
人々に寄り添った活動を重視
もともと私は片付けが苦手でした。時間も心も余裕がなく、いつも困り果てていたんです。自宅のキッチンやリビングは物であふれ、目も当てられない状況でした。
片付けられなかった原因は、自分の心が片付いていないことでした。夫婦共働きなので、家族で力を合わせて家事をしたかったのですが、実際は私だけの仕事となっていました。家事をしても感謝されるどころか、逆に怒られていたことに理不尽さを感じ、多忙なふりをして家庭から逃げていました。片付けられなかった本当の理由は、家族とのコミュニケーションが上手くいかなかったことだったんです。心まで疲れ果てていた自分を変えたいと一念発起。「自分のために、自分の家を片付ける」という強い思いで片付けに臨みました。
同時期、自身で経営するリサイクルショップに来店されるお客様の気持ちを知りたいと心理学の講座を受講しました。不要な物を売るためお客様は来店されているのに、いざとなると物を手放せない方が多くいます。自分の一言でお客様の手放す心を軽くしたいとの思いから、心理カウンセラーの資格を取得したんです。
平成29年、資格を活かして人々を笑顔にする仕事ができないかと「ととのえ」を設立。片付けられない人の心に寄り添い、お客様のライフスタイルに合わせて片付け方を提案しています。
目指すは根本的な解決
依頼者の目線で克服方法を提案
片付けができるようになると、パワーロス・タイムロス・マネーロスの三大ロスが減り、逆にプラスになります。子どもの落書きさえ愛おしくて取っておきたい方、自分が子どもの時に使っていた教科書やノート、小さな賞状など思い出が手放せない方、物がなくなることが不安で同じものを2つ、3つと買ってしまう方、毎日が探し物で時間をロスし、週に何度も買い物をするけれど何かを買い忘れる、家事の優先順位が分からない方、とにかく家族に感謝してほしい方などをはじめ、たくさんの片付けられない真の原因を探して根本的な解決方法をご提案しています。
ととのえの特徴はお客様ととてもフレンドリーになれることです。お客様から「片付けができないのは自分がだらしないからだと思っていたけれど、元に戻せるようになった」「家族が片付けに協力してくれるようになった」「あんなに嫌いだった片付けが楽しいと思えるようになった」「奈美さんが来る数日前からワクワクして待っている自分に気づいた」と言ってもらえる時があります。その言葉と笑顔をいただけることが最もやりがいを感じる最高の瞬間です。
片付けられなくて自分に自信をなくしていたり、家族に怒ってしまったりしている人が、片付けを通して人生が変わるくらいの感動と幸せを得るお手伝いをさせていただきたいです。
本来は片付けに悩むなどナンセンス!
仕事に対する熱い思い
現在、私生活では高校3年生の息子と暮らしています。仲が良いので、何気なく過ごす家族の時間が大切。息子がリビングのソファでダラダラと過ごしているのを眺めているのも好きですね。
趣味は食器の収集です。食器棚を開けたときにお気に入りの食器が並んでいるのを見て、その食器でおいしい料理を食べるのが至福の時です。
本来、片付けができないと悩むことはしなくていいと思います。悩むよりも片付け方を早く覚えて他のことを考える時間にあててほしい。いわゆる「片付け迷子」をゼロにする。お気に入りの物に囲まれて暮らせるようになればきっと「片付けって楽しかったんだ!」と思えるのではないのかなと思います。