東海地区を中心に125の店舗があるたんぽぽ薬局株式会社。薬剤師の種田美保さんは、1号店の立ち上げから会社の成長に寄り添ってきました。現在はエリアマネージャー、業務企画運営課課長として現場と本社をつなぐ役割を担っています。担当する7店舗のスタッフの悩みを吸い上げ、職場環境改善に力を尽くします。薬剤師として店頭にも立ち、患者さんとの出会いを大切にこれからも勉強を続けていきます。
運営指導や業務基準書作成など
幅広い業務で会社を支える
「薬を通して地域医療に貢献する」ことを使命とするたんぽぽ薬局株式会社。現在125店舗があります。私はエリアマネージャーとして岐阜、羽島、笠松、穂積にある7店舗の店舗運営を指導しています。
勤務体系や、エリア内のスタッフの悩みを管理者として確認するのはもちろん、休みのスタッフに代わり、調剤薬剤師として店舗に立つ時もあります。
業務企画運営課の課長も兼任。業務基準書作成のリーダーも務めています。業務基準書は単なるマニュアルではなく、経営理念である「たんぽぽ薬局憲章」に基づく業務の教科書です。新人でもたんぽぽ薬局の思いを担って行動できるようにと考えています。
地域貢献の一環として学校薬剤師も務めています。小学生を対象に薬物乱用防止教室等も開催しています。
1号店の立ち上げに参加
他店のオープンもサポート
幼少期は医師を夢見ていました。しかし親戚が営んでいた薬局に通ううちに、地域の人々と密に接して不安に寄り添う薬剤師にあこがれるようになりました。高校3年生で薬学部への進学を決意。大学卒業後は調剤薬局に勤めていました。
転機となったのは、30歳での転職です。「どうにか前に進みたい。ステップアップできることをしたい」と考えていたときにたんぽぽ薬局株式会社設立の話を聞きました。岐阜県ではまだ調剤薬局が少なかった時代。大きなチャンスに入社を決意しました。
入社当初は本部でデスクワークを中心に勤務し、1号店である長良八代店の立ち上げに尽力。管理薬剤師として配属されました。事務担当者はおらず、右も左もわからないままの始動でしたが専門分野以外のことを学べる、いい勉強になりました。
患者とスタッフを大切に
人とつながる仕事を
その後は薬局長も経験し、他店のオープンにも立ち会いました。エリアマネージャーになったのは8年前です。以前は現場の代表という立場でスタッフと関わっていましたが、現在は会社の方針に基づき、エリアの皆が前向きに目標に向かえるようにするのと同時に、現場の意見を聞き、会社に上げていく立場でもあります。多様な立場からの意見があるため、最初は方向性を定めるのにも一苦労。各店スタッフのフォローもあり目が回りそうでしたが、毎年経験を重ね、効率よく業務ができるようになりました。エリアの皆の協力があってこそ、業務が回っているのだと感謝しています。
こだわっているのは、スタッフが上下関係に委縮しない職場環境づくりです。方針に対して「難しい」と弱気だったスタッフと力を合わせて目標を達成できた時はとても嬉しくなります。
以前常駐していた店舗でなじみの患者さんから「顔が見られて元気が出たわ」と声をかけてもらう時もあります。そうした言葉を聞くと疲れが吹き飛んでしまいます。
業務基準書作成は3年前から開始しました。最初の半年は外部の専門家に基礎を学び、その後会社独自の基準書を順次リリース。その際に現社長の松野英子さんからリーダーを引き継ぎました。毎月、1業務の基準を発信。それに対する現場からの声を吸い上げ、検討後に更新します。新人や、産休育休後に復帰した人でも無理なく一定の業務が行えるように、今後も基準を整備していきます。
一期一会の出会いを大切に
学びの機会をつくる
プライベートでは茶道と華道を学んでいます。母の勧めで始めて30年。無心で集中できて、先生や生徒との会話でほっとする時間です。反対に、ロックバンドグループのコンサートではおもいきり声援を送って発散します。ショッピングも好きで、休日は外出することが多いです。
趣味でリフレッシュしながら、時間を見つけて個人的に新薬や疾患についてなど、薬剤師として必要な研修会にも出席しています。多くの情報が飛び交う現代だからこそ、正しい情報を把握して患者さんに寄り添っていきたいと考えています。
患者さんとの出会いは一期一会です。同じ人でも日によって体調が違い、必要なケアも変わってきます。スタッフや患者さんとの信頼を築き、地域に根差した薬局を目指していきます。