岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

やさしい人々が多い蛭川
大好きな地元の人が
争わず、笑顔でいられるように
力を尽くして支えていきたい


ほぼ事務所 代表・司法書士・行政書士
保方多津美(ほぼ たつみ)さん(中津川市)

【2019年6月24日更新】

ともに法律を用いた業務を取り扱う司法書士と行政書士。保方多津美さんは取得の難しい国家資格を取得し、中津川市蛭川で司法書士と行政書士の事務所を開いています。実は理系大学を卒業。研究者として就職後に、文系の難関資格を取得し、現在は地域の人々を笑顔にできるよう活動しています。

アレルギーが原因で退職
研究職からSE職に

 現在、蛭川に住んでいますが、生まれも育ちもこの地です。蛭川小学校から蛭川中学校に進み、恵那高校に入学。当時、遺伝子に関する研究が世間の注目を集めていたため、興味を持って名古屋大学農学部に進学しました。卒業後は有機合成に関わる企業に就職したんですが、研究で使用する薬品が原因でアレルギーを発症してしまったんです。体質が合わず、不本意ながら1年で退職しました。
 その後、自分が何をすべきか悩み、手に職をつけられればと、名古屋のIT関係企業に就職。28歳の時に、両親の勧めで地元に帰り、博石館に転職しました。博石館では前職の経験を活かして、システム関係の業務を担当していましたね。

出産を機に一大決心
司法書士を目指し勉強

 30歳の時に長男を出産しました。結婚はしておらず、シングルマザーでしたので、さまざまな悩みについてインターネットで情報を集めていたんです。当時は悪い方に考えてしまいがちだったのですが、諸制度や法律関係など、いろいろなウェブサイトから情報をもらって、気持ちがとても楽になりました。その情報源となったホームページを開設していたのが司法書士や行政書士でしたので、自分も人の悩みを解決できるようになりたいと資格取得を決心したんです。
 勉強している時は、本当に大変。大学が理系ですので、まったく畑違いの内容です。昼は博石館で仕事をし、子どもが寝た後に勉強。子どもの面倒は母に手伝ってもらっていましたが、仕事の後の勉強は眠くて仕方なかったです。でも、子どもの学費をつくらないといけないと必死に勉強を続けました。

昼夜の仕事を支えてくれる
子どもと両親に感謝

 勉強を進め、まずは行政書士資格を取得。続いて、司法書士試験に挑みました。しかし、試験になかなか合格できない期間が続き、心が折れかかっていた時、背水の陣を敷く思いで行政書士事務所を立ち上げました。そして、その翌年の司法書士試験に合格し、司法書士としての仕事も開始しました。司法書士は登記や供託に関する手続きの代理、裁判所への訴状や告訴状の作成、簡易裁判所での代理人業務などが主な業務。行政書士は官公署に提出する許認可などの書類の作成やその手続の代理、権利義務や事実証明に関する書類の作成と、それらに関わる相談が主な仕事になります。
 仕事のスケジュールは、あくまでも依頼者主導になるので、夜に打合せをして、昼間は役所で手続きという日が多いです。仕事を終えるのが遅い時もあれば、早い時もある。時間が不規則なため、子育てをサポートしてくれる両親の存在がありがたいです。小学6年生の子どももわかってくれていて助けられていますね。

ひとつばたご会に参加
地元の人の笑顔を守る

 2年ほど前から中津川北商工会議所のひとつばたご会に参加しています。ひとつばたご会は司法書士、行政書士、税理士、土地家屋調査士が集まった組織で、年に4回無料相談会を実施。地元に貢献できるだけでなく、人の輪も広がっていて、とても有意義に感じています。
 疲れてしまった時は、趣味のアクアリウムで癒されていますね。水草が好きで、植えたり、切ったりして水槽を作り上げていると、時間を忘れます。そうして英気を養って、また精一杯仕事に向き合っています。
 名古屋から地元に戻ってきた時、地域の人の優しさにふれ、改めて蛭川はいいところだと思いました。そんな人々の笑顔を、これからも守っていけるとうれしいです。