岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

生活の土台である家
整えて選び取る力をつけるだけで
人生が豊かになることを
伝えていきたい


ライフオーガナイザーひと宮 コミュニティー&コワーキングスペース co・yane代表
服部ひとみ(はっとり ひとみ)さん(美濃加茂市)

【2019年6月24日更新】

整理収納を通して人生をオーガナイズ(整理)するライフオーガナイザー。服部さんは2人の子どもを育てながら、チームを組んで仕事を続けてきました。「掃除をして完了」ではなく、片づける力、物事を組織化する力をクライアントとともに養っています。モノやコトを整理することで人の暮らしに豊かさを提供し、自身の子育てにも良い影響があったと話します。

子どものころから好きだった
整理整頓を自分の仕事に

 お客様から依頼を受け、部屋の片づけをメインに仕事しています。もともと収納や片づけが好きだったんです。小学校高学年で自分の部屋をもらったことが大きなきっかけで、より使いやすい部屋にしようと模様替えを繰り返していました。
 21歳で結婚をして、すぐに子どもが欲しかったので22歳と23歳で出産。2児の女の子の母親になりました。ママ友と話しているとき、家事や子育て、さらに仕事に追われて忙しく、ついつい子どもにつらくあたってしまうお母さんをたくさん見ました。家の片づけもうまくいっていなくて、イライラはつのるばかり。「空間を整えるだけで物事がスムーズに進み、時間にも心にもゆとりがもてるのにな」って感じていたとき、ライフオーガナイザーの仕事を見つけたのです。

家事・育児と両立しながら
資格取得から起業まで

 片づけに関する資格はいろいろありますが、ライフオーガナイザーの特徴は、空間を仕組み化すること。ありとあらゆるものを整えることで、生活しやすく豊かな暮らしを創出します。片づけは、家がある限りすべての人に関係すること。スキルアップをしながら長く続けられる仕事だと感じました。子ども時代の「遊んだら片づける」ことから、高齢者の「遺産整理」まで、一生向き合うことなんです。
 「資格を取ろう!」と決めて、すぐに勉強をはじめ、2012年にライフオーガナイザーの資格を取得。もともと好きなことだったので、すんなりと合格できました。活動はすぐに始めましたが、開業したのは3年前です。若くして結婚し、資格も持っていなければ外で働いたこともありません。主人も専業主婦として家にいてほしいと望んでいたので、「家のことがおろそかになってしまうのでは?」「子どもは大丈夫だろうか?」と不安があったようです。しかし、ライフオーガナイザーは自分の家族の暮らしにも大いに役立つ仕事です。自分の家を大事にすることにもつながるので、その説得に力を入れました。「家庭を大事にしながら、外でも活躍したい」という思いをしっかりと伝えました。いまは同業のメンバーとチームを組んで仕事をしています。家族も応援してくれています。

片づけて終わりではない
自分でできる力を届けるのが仕事

 ライフオーガナイザーの仕事は、片づけをして終わりではあません。お客様が一人でも片づけられる、整理された空間を維持できるようになることがゴールです。プライベートな部分をさらけ出してもらう必要があります。初対面の人ともしっかり向き合い、「片づけは楽しいこと」「逃げずに楽しんだ方がいい」という点を伝えています。ヒアリングをしっかりして、コンサルタントして、どう整えるかを一緒に考えます。「片づけは女性がするもの」「結婚すれば誰でもできる」と思う人も多いかもしれません。お金を払って依頼することに躊躇する人もまだいますね。ただ、一度しっかりと整理して暮らしやすい空間を作り上げると、人生が大きく変わります。家が整っているだけで帰りたくなる場所になりますし、「お友達を呼ぼうか」「お菓子を作ろうか」という会話も生まれます。時間に余裕ができて好きなこともできる。それが「ライフオーガナイズ」ということなんです。「こんなに頑張っているのに、家族に文句ばかりいわれる」というお母さんもいると思います。そのガンバリを無駄にしないためにも、家族で一緒に片づけと向き合うことは大切ですね。

仕事の影響で子どもが成長
家も仕事も満足の状態へ

 子育てのゴールは自立だと思っています。自分のことは自分でできる子どもにしたい。それが巣立つということだと考えています。その自立心はどう養うかというと、一つに片づけをすぐに行う習慣をつけることだと思います。必要なものを分かりやすいところに置く、もとの場に戻すなどができるように。ライフオーガナイザーの資格を取る前は、片づけが好きだという理由で家族のことをすべて私がしていました。ランドセルの片づけも主人のものも、何もかも。私がする方が早いし、みんなも喜ぶ。それがいいと思っていたんです。でも、好きなこともしたいと考えたとき、「なんで私だけ?」「なんでこんなこともできないの?」とストレスを感じました。勉強をするうちに、「あ、違ったな」と気づいたんです。できないのではなく、私が子どもにやらせなかった。「これでは、やれるわけない...」という気づきがありました。まだ危ないからと包丁を触らせないなどしていましたが、やれることはすればいいと考えるようになりました。
 片づけは学校でも家庭でも生かされています。出張も増えてきたけれど、泊まりでも安心して、家のことを任せられます。親子で自立できていますね。
 いま、私と2人のスタッフの3人で活動しています。春を目処に規模を大きくしていきたい。これまで美濃加茂市を中心に仕事をしてきましたが、これからは愛知県にも活動を広げたい。今後も目標をもって、頑張っていきます。