岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

会社の歴史に欠かせない川辺町で
新しい農業を展開しています
笑顔がいっぱいの農園を目指し
スタッフを大切にしながら
美味しいブルーベリーを届けたい


ブルーベリーファクトリー岐阜 農園長
石見亜美(いしみ あみ)さん(川辺町)

【2019年6月24日更新】

2018年に川辺町にオープンした「ブルーベリーファクトリー」の農園長を務める石見亜美さん。まだまだ知られていないブルーベリーの魅力を多くの人に伝えたいと、ブルーベリー狩りが楽しめる施設を運営しています。来場者が楽しめることを優先した観光農園には、たくさんの人から満足の声が届いています。

創立50周年を機に
新事業の企画担当に

 ブルーベリーファクトリー岐阜は、エンジン関連の機能部品を供給している部品メーカー、大洋技研工業株式会社の新規事業。大洋技研工業株式会社は、1966年に開業し、コックやフィルタ、ポンプなどの開発、製造、販売をする企業です。
 私は2013年に入社し、名古屋市の本社で3年間、総務部に所属していました。創立50周年を迎えた2016年、弊社が新規事業に挑戦することになり、企画のリサーチ担当に任命されました。
 「異業種への挑戦」というミッションから、これからの時代の変化に求められると感じた観光業に焦点を当て、1年かけてリサーチ。そこで出会ったのが、国内ではまだ情報も少ない果物であるブルーベリーでした。ブルーベリー狩りが楽しめる観光農園に新たな可能性を感じて、企画に踏み切りました。
 2018年6月にプレオープンし、初めてのシーズンを終えましたが、たくさんのお客様にご来園いただき、うれしかったです。

子どもから大人まで楽しめる
ブルーベリーのテーマパーク

 ブルーベリーは原産国のアメリカから日本に入ってきて、まだ50年ほどしか経っていない比較的新しい果物です。「目に良い」という効能は広く認知されており、市場ではサプリなどの加工品によく使われていますが、果物としての魅力はあまり知られていません。抗酸化作用があり、目の疲労を和らげるなど効能に優れており、豊富なエネルギーを丸ごとチャージできるのも大きな魅力。珍しいピンク色のブルーベリーや、500円玉級の特大サイズが実る品種など、それぞれの個性がとても面白く、家族品種があるなど品種間同士の関係性も興味深いです。観光農園としては種類が多いことが強みになっています。
 園のコンセプトは、「ファミリーの癒しスポット」×「ブルーベリーのテーマパーク」。主に東海地区のファミリー層に向けて、品種一つひとつに詰まっているストーリーを伝えようと、テーマごとにコーナー化しており、類似点や違いを探しながら楽しめます。食べるだけでなく、ブルーベリーの知識を身につけてもらえるよう工夫しました。
 初年度は、28品種1100株を生育。時間無制限で行き来も自由にし、食べ比べを楽しめるようにしました。収穫期は6~8月。夏休みのお出かけスポットにぴったりです。品種の違いが伝わりやすいように、マスコットキャラクターも制作しました。RPGゲームのキャラクター風に擬人化し、現在10体います。言葉で違いを伝えるのは時間がかかるけれど、キャラクターがいればわかりやすくスムーズに伝えられます。夏の思い出作りや自由研究で訪れる家族が増えてくれればいいですね。

異業種からの参入で感じた
農業産業の可能性

 「ここのブルーベリーは大粒で美味しいですね」と言っていただけます。栽培はシステム化・自動化しており、高品質で再現性の高い安定した栽培を行っています。ウェブサイトを開設し、インターネットを中心に集客を実施しているので、その分サービス面の充実が図れます。また、会社として初の消費者向けビジネス。食の安全にはしっかりと取り組み、品質向上と環境保全の両立した農園づくりを目指していきたいという思いから、初年度から生産工程管理体制を基盤とするJGAP認定農場となりました。
 農業分野はアイデアと情熱次第でまだまだ多くの可能性があると思います。異業種の参入だからこそ、国内の素晴らしい資源をビジネスチャンスに変え、新しい農業の形を確立していきたいですね。
 毎年、新しいサービスを提供し続けていきたいと思っているので、今シーズンは、旬の品種を購入できる直売所、園内ガイドからブルーベリーの歴史や特徴などを聞けるブルーベリーガイドなど、昨年にはなかった新サービスを盛り込んでいます。当園自慢のレイアウトもバージョンアップし、より食べ比べが楽しめるようになります。
 今後は徐々に日本産の高品質ブルーベリーとして、出荷にも力を入れていきたいです。

太陽の光を浴びながら
スタッフと成長していきたい

 植物が相手なので、細かい対応ができるよう、2年前から川辺町に住み始めました。デスクワークから、Tシャツとジーパンを着て太陽の光を浴びる生活へ。動いているのが好きなので楽しいです。農園の仕事をはじめてから健康的になりました。土地柄も気に入っていて、夏場には川でサップ(※写真参照)を楽しんでいます。
 ゼロからのスタートで、実際にやってみると予想外のことがたびたび起こり、現場がバタバタすることも。常に仕事へのやりがいと同時にプレッシャーを感じています。至らない私を信じてくれる社長、いつも支えてくれるスタッフに心から感謝しています。今後も、農園運営を通した社会貢献を常に念頭に置き、自分の力を尽くし、スタッフたちとともに事業を成長させていきたいです。