岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

興味関心があればすぐに行動し
多数の資格を取得して独立
さまざまな職種に就いた経験を活かし
人々の症状に寄り添う


はり きゅう body care kayou かよう 院長
市川華洋湖(いちかわ かよこ)さん(岐阜市)

【2019年6月24日更新】

岐阜市の鍼灸院「はり きゅう body care kayou かよう」。院長は鍼灸師(はり師・きゅう師)の市川華洋湖さんです。もとは一般企業の事務職や営業職に就いていましたが、専門学校や夜間学校に通って多数の資格を取得。人々の症状に寄り添い、豊富な知識と経験を活かして施術しています。

多彩な経歴から医療業界に転身
資格取得のために仕事と学業を両立

 高校卒業後、一般企業に就職しました。事務を担当していましたが、次第に「もっといろいろな経験をしたい」と転職を決意。社会保険労務士事務所や衣服の販売員など、さまざまな職種を経験しました。やがて、「未経験の職種に挑戦したい」と思い、介護福祉士の資格を取得。同時にリハビリテーションを専門とする理学療法士にも興味を持ちました。
 理学療法士の資格取得を目指し、専門学校に入学。歳が近い方と仲良くなり、ともにクラスをけん引しながら勉強に励みました。さらに通信制大学の生活福祉科にも入学し、卒業生として学位を取得。無事に理学療法士の試験に合格した後は、総合病院のリハビリテーション科に勤務しました。総合病院で訪問やデイサービスでのリハビリテーションを経験したことから、介護福祉の知識も習得したいと、介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格も取得しました。
 また、より活躍の場を広げるため、鍼灸師(はり師・きゅう師)の夜間学校に入学。3年間、病院勤務を続けながら専門知識を学びました。時に体力が尽きて授業中に寝てしまう日もありましたが、業界への興味関心の方が強く、大変とは思いませんでした。資格取得後は、リハビリテーションと併用して病院の患者さんにはり・灸を施術していました。

念願の開業を果たして
じっくりと患者に向き合う日々

 鍼灸師(はり師・きゅう師)の資格を取得した理由のひとつに開業権があります。ずっと独立したいと思っていましたが、理学療法士には開業権がありません。また、しっかりと知識や技術を身につけてから開業したいという強い思いもありました。
 2012年、岐阜市萱場町に「はり きゅう 華洋(かよう)」をオープン。起業や経営の知識はありませんでしたが、資格などの準備は整ったので店舗を借りて開業しました。念願かなって開業したものの、はじめはまったくお客様が入らなかったんです。それでも持ち前の前向きな性格で、焦らずマイペースにやることに。次第に口コミでお客様が増えていき、今ではいつも足を運んでくださる常連の方もたくさんできました。
 父が営む工場が移転したため、旦島西町へ移転。店名を「はり きゅう body care kayou かよう」に変えて、リニューアルオープンしました。ゆっくりとお客様に向き合えるよう、店内は落ち着く雰囲気を重視。趣味の観葉植物を店内に飾り、お客様が安心できる空間を心がけています。

自身の経歴から症状を理解
患者の気持ちもサポート

 当店に通われるお客様の年齢は10~60歳代までと幅広く、症状もさまざま。スポーツで肩や肘を痛めた高校生や、腰痛や外反母趾に悩む社会人など多くの症例があります。
 私の強みは、営業職や事務職など多種多様な職業に就いてきた経験。お客様がおっしゃるデスクワークによる肩こりや腰痛といった職業病の辛さも理解できます。また、趣味のゴルフ好きが高じて、2014年にゴルフフィジオトレーナーの資格を取得。これは、理学療法士や医師、ゴルフトレーナー、プロゴルファーがゴルフ障がい予防や治療のために学んでいる国際資格です。この資格が活きて、スポーツに注力するお客様への理解も深まっています。
 7年の付き合いとなる常連の方は、表情や姿勢、歩き方で体の調子が分かります。施術をして症状が緩和していく経過を感じられるのが、やりがい。お客様のなかには、「こんな病気になってしまった」と不安や悲しみを抱える方が少なくありません。私が完治をあきらめたら、お客様の希望がなくなってしまう。だからこそ、「前より良くなったよ」と声をかけ、少しでも安心していただきたいです。悪くなるばかりの病気の方に対しても「まだこのような事ができるよ」と、決してあきらめずに声をかけます。治るのか、治らないのか、不安を抱える中、ひとりでは前向きになれるはずがないので、お客様の気持ちが明るくなる言葉がけに努めています。決して手を抜かず、人の役に立てる仕事をする。これが私のモットーです。

趣味のゴルフで息抜きを
開業前にはなかった休息

 開業前は多忙な生活を送っていたので、趣味を楽しむ時間はありませんでした。しかし、現在は時間に余裕ができました。はじめは何をしたらいいのかと戸惑いましたが、ゴルフに出合ってからは立派な趣味に。実は父・母・弟もゴルフが趣味で、家族全員で楽しんでいます。
 冬は練習場で打つだけですが、暖かくなったらコースにも出ます。ゴルフをしていると束の間の息抜きになり、ストレスや運動不足の解消になります。練習場では当店のお客様とも話をする時があって、ストレッチやトレーニング方法を教える場合もあります。ゴルフで知り合って来店してくださる人もいて、人とのご縁やつながりの大切さを感じています。