岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

当時は異例だった育休取得を果たし
女性活躍のための風穴を開けた第一人者に
常に人の期待を上回る行動で
信頼と成果を手中にする


損害保険ジャパン株式会社 岐阜中央支店 大垣支社 業務課長
下村真理子(しもむら まりこ)さん(大垣市)

【2020年8月 3日更新】

損害保険ジャパン株式会社は、日本を代表する損害保険会社。複数回にわたる会社合併を経て近年、女性が活躍する環境づくりを推進しています。下村さんは、その下地を作り上げた一人。かつては異例だった育休取得を果たし、出産後には事務員から営業担当に転身してチャレンジを重ねるなど、活躍する女性のモデルケースになってきました。社内外からの信頼は厚く、多くの社員が模範として下村さんの背中を追いかけています。

一般職から営業職へ
悩んだ末に挑戦を選ぶ

 私が入社したのは、会社合併が行われる以前の安田火災海上保険株式会社で、一般職採用でした。当時は世間一般的に「女性は5年くらい勤めて結婚して辞める」という風潮があり、私自身もそのような将来をイメージしていました。
 入社後は名古屋と岐阜の支店で業務補佐や営業推進、数字管理などを担当し、幸いなことに結婚と出産後も仕事を続けられました。自分はずっと内勤事務として働くものだと思っていましたし、仕事への誇りもありました。ところがあるとき、欠員補充の形で営業業務を兼務することになったんです。
 同じビルのワンフロア降りた場所には、同じ会社でありながら、まるで別会社のような環境がありました。それまでに培っていた実務経験がほとんど役に立たず、さらに一時的な欠員補充のはずが、一人の担当者としての業務をまるごと割り振られたため、毎日眠れないくらいに悩みました。
 悩んだ結果、私は入社20年目でありながら、新卒入社社員と同じ研修の受講を希望し、業務を学び始めました。新しい仕事に、新人の気持ちで立ち向かっていこうと決めたんです。

活躍の幅を広げ
損保業界の醍醐味を知る

 当初は営業事務の仕事が中心でしたが、現在の大垣支社に異動したタイミングで、外回り業務にも取り組むようになりました。まさに営業職の領域です。業務の幅は大きく広がりましたが、以前のような戸惑いはありませんでした。
 最初は整備工場を中心に約50代理店の担当からスタート。しばらくは担当代理店の事務担当も兼務していましたが、やがて営業専門になり、ハウスメーカー、保険販売を専業とするプロ代理店、一般企業と、段階的にチャネル(ルート)の幅を広げていきました。
 営業で社外に出るようになってから、この仕事の楽しさがわかってきました。外に出て、代理店やお客様と直接話をする。以前の電話営業とは違って、目を見ながら本音ベースで話ができる。だからこそ真に最適な提案ができて、結果、お客様が心から喜ぶ姿を目の当たりにできる。数字の目標達成に対するプレッシャーはありますが、それを上回るやりがいを感じます。

前例がなかった育休を取得
女性活躍推進の下地を作る

 今でこそ社内に普及した育休制度ですが、私が取得するに至るまでには高い壁がそびえ立っていました。当時は女性社員が妊娠すると、ほとんどが自主退職を選択。仕事を続ける人がいても、取得できるのは産休のみ。とても満足に働き続けられる環境ではありませんでした。私も例外ではなく、最初こそ育休取得に難色を示されましたが、幸いなことに、当時所属していた支店で初めて育休を取得することができました。
 女性の活躍を推進する社風ができつつある今、育休制度はもちろん、時短勤務制度、家族の転勤に伴うキャリアトランスファー制度など、女性が働きやすい制度が整っています。また、社内で「こんな仕事をしたい人を募集!」というジョブチャレンジ制度もあり、女性の活躍を後押しする選択肢も増えてきています。私の当面の目標は、いま取り組む企業チャネルの深掘りですが、最終的には人材育成に携わりたいと考えています。私の経験が、今後当社で輝かんとする女性たちの助けになればうれしいですね。

プライベートも満喫
人の心を動かせる存在へ

 子どもの手が離れたいま、プライベートも満喫しています。7年前からテニスを始め、今でも日曜日の午前中にはスクールに通っています。また、仕事の付き合いもあってゴルフを開始。職場の女性たちと一緒にスタートし、土曜日にはこちらもスクールで練習を積んでいます。コースにも3回出ました。
 信条は「人の期待を上回る行動を」。相手が求めていることを常に先回りできないかと考えて行動しています。そうしているとありがたいことに、「下村さんはいつも一生懸命やってくれるから、私も下村さんのためにこれをしますね」と返してくれるんです。もちろん見返りを求めているわけではありませんが、人が何かを返してあげたいと思ってもらえるような仕事を常に心がけています。