岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

この仕事に出会ってなおさら
加子母愛が止まらない!
若い力を集めて
地域の良さを広め、
新たな魅力を作り出したい


ゆうらく館株式会社/道の駅加子母駅長
岡崎未紗(おかざき みさ)さん(中津川市)

【2020年8月 3日更新】

小秀山や乙女渓谷、加子母川。豊かな自然を活かし、農業や林業が盛んに行われている中津川市加子母地区で生まれ育った岡崎未紗さんは、下呂温泉を訪れる観光客が立ち寄る「道の駅加子母」の若き駅長です。2017年1月に26歳で就任し、今年着任して3年目を迎えました。仕事を通じてますますこのまちが好きになり、自身で加子母の魅力を発信することにやりがいを感じています。

名古屋から地元に戻り再就職
1年後いきなり駅長に就任

 ファッション業界に憧れて高校を卒業後、名古屋の専門学校に入学しました。卒業後は念願のアパレルメーカーに就職し、販売業務に就いたんです。名古屋暮らしは気に入っていましたし、接客が大好きで仕事は順調でした。しかし実家が、父一人で祖父母の面倒をみることに限界を感じる状況になっていましたので、25歳の冬、加子母に帰ることにしたんです。
 さあ何の仕事をしようかと考えていたとき、高校時代にアルバイト経験のあった「道の駅加子母」の上司から声を掛けられました。
 販売スタッフとして働き始め、1年後には駅長に就任。仕入れ、商品管理、販売を行うのはそれまで通りでしたが、一番重責を感じたのは人のマネジメントでした。手作りの郷土料理を提供する食堂の調理員をはじめ、販売員もスタッフはみな地元のお母さんたちで親世代。自分は年下なのに組織上の立場は上で、指示や指導をしなければならないので、どんな気配りが必要なのか悩みました。そこで自分はスタッフよりも偉いのではなく、指示や指導する役割を担っているだけであり、人生の先輩であるスタッフに敬意を持って接していこうと決めました。
 3年が過ぎ、職場のムードはアットホームで穏やか。信頼できる仕事仲間に恵まれたと感じています。

人が好き。接客が大好き
人との関わりのなかで成長

 この仕事の一番の魅力は多くの人と関わるなかで、成長できること。接客はもちろん、たくさんの地元生産者の方々との関わりや、年4回、県内の道の駅の駅長が10人ほど集まる会議での交流も、楽しくて仕方ないですね。
 駅長会議は刺激的で、イベントを共催した経験も。さらにトラブルが起きた際の対策事例を聞いて備えたり、バイクの駐車場の設置方法をアドバイスしてもらったり、販促につながる情報を交換したり。教えてもらった対処法やアドバイスは具体的ですぐに実践に移せるので、先輩駅長の皆さんに助けてもらい、心から感謝しています。

手書きのチラシが大評判
イベントの手応えも上々

 いまうれしく思っているのは、月一回の手書きチラシが大好評なこと。実は小さい頃は漫画家になりたかったくらい絵や、字を書くのが大好きなんです。自分が書いたものを、多くの人に見てもらえるのは、本当にうれしいですね。言いたい、伝えたい内容は山程あるので、それを絞り込んでわかりやすく、見やすくするレイアウト作りを心がけています。
 イベント内容などで人の流れが変わることにも、手応えを感じています。雨の日はアメつかみ、夏はトマトすくいなど、天気や時季に合ったイベントを企画。「この前来たときのイベント、終わっちゃったの?」とお客様に言われると、「楽しかったんだなあ。また企画しなくちゃ」と思いますね。
年に数回は、名古屋市内などで加子母の特産物を販売するイベントにも参加します。チラシを手渡しして、自慢の朴葉寿司、よもぎ大福、わらび餅、トマトやトマトの加工食品などの販売や地方発送をPRしています。このイベントがきっかけで、加子母までわざわざ足を運んでくださるお客様も多くて、スタッフと感激しています。県内向けには月1回、「ぎふチャン」のラジオ番組でイベントや旬の情報を紹介しつつ、加子母をアピールしています。

山村の自然や文化、
温かな人々が迎える加子母へ

 地元に戻り、この仕事を通じて改めて加子母が好きになりました。いったん離れたことで気づけた加子母の良さは、星がきれいなことでした。自然がいっぱいで空気もおいしい。でも何よりもありがたかったのは、地元の人たちが温かく迎えてくれたことです。居場所があるのはとても幸せで、だからこそ加子母の魅力をもっと伝えたい、広めたいと思います。昨年にはまちおこしに直結できる活動ができればと、商工会議所青年部に入会しました。
 実は下呂市内や付知峡の道の駅は観光資源に恵まれていますが、加子母には目玉となるような大きな観光資源は不足しています。ですが、乙女渓谷でのキャンプや小秀山のトレッキング、加子母川での川釣りなどのアクティビティのほか、なめくじ祭、かしも明治座の見学、地歌舞伎鑑賞など、古来より継承されてきた文化があります。そして、もっと人を呼び込める何かがあると思うのです。
 そんな加子母の可能性を商工会との連携や、同世代の従業員と模索しながら見つけていきたいと思っています。若い社員の入社は大歓迎。加子母へ多くの人々が立ち寄り、そして気に入った方が移住してくれるような、そんなまちに一緒にしていきたいですね。