岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

資格を取得し
建設現場で活躍中!
女性がたくさん進出して
業界を盛り上げる


向陽信和株式会社
山岸朋香(やまぎし ともか)さん(土岐市)

【2020年8月 3日更新】

住宅建設の足場工事などを行う向陽信和株式会社に勤める山岸朋香さん。正社員として入社し8年。建設現場で働きながら、2019年夏には資格2つを取得し、建設機械オペレーターとしての活躍も期待されます。女性が少ない業界ですが、「女性も活躍できる!」という思いを胸に仕事に励みます。

手に職を付け外で働きたい
足場工事の会社に就職

 足場工事や仮設設備リース及び販売を行う、向陽信和株式会社で正社員として働いています。事務の女性社員はいますが、私のように外へ出て施工の下見をしたり、ヘルメットを被って建設現場に赴いたりする女性は、会社での前例がなく、一例目と聞いています。
 出身は可児市で、結婚後は土岐市に住んでいます。小さい頃から、とにかく活発で男の子とばかり遊んでいました。スポーツも得意でしたね。多治見西高等学校を卒業後、体を動かすことが好きだったので、居酒屋でアルバイトをしていましたが、働くうちに「もっと自分に合った職場があるはず」と考えるように。就職先を探すうちに「資格取得で手に職を付けたい」「体を動かして外で働きたい」と思いました。
その後、実家から通いやすい現在の会社に、20歳で就職したんです。28歳の時に長男、翌年は次男の出産も経験。産休・育休を経て、職場に復帰。会社は平成30年度「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」に認定されていて、女性が働きやすい会社に就職できたことをうれしく思います。

工事前の下見が主な仕事
現場で生かせる資格も取得

 「建設現場で働きたい」「女性もできるはず」と考えて就職した私を皆さんがバックアップしてくれることにも感謝しています。
基礎工事予定の場所から境界までを測って撮影。境界までどれくらいの距離が確保できるかで、基礎工事のためにどんな足場を組むかを資料にまとめます。私が担当する下見がすべてのベースになりますので、責任は重大です。
 普段は8時40分に出社。社内の工程ボードを見て、下見に向かう場所をエリアごとに分けて効率良く周れるよう考えます。東海3県が現場の中心ですが、長野県など遠方に出掛けることも頻繁にあります。
 建設現場で働いていますが、その時に役立つのが2019年夏に取得した2つの資格。国家資格の「玉掛け技能講習修了」と「小型移動式クレーン運転技能講習」です。
 「玉掛け技能講習修了」、ワイヤーや布でクレーンに荷物を吊るす際に必要となる資格。ワイヤーなどを引っ掛ける位置によって、吊り上げる時のバランスが大きく左右されます。最悪の事態となれば大事故になりかねない作業なので細心の注意を払います。両方の資格は、女性の活躍を望む社長から「資格を取れば、仕事の幅が広がるよ」と声を掛けていただき、背中を押してくださったことがきっかけなんです。

新たに導入したカニクレーン
操作方法を勉強中

 もう一つの資格、「小型移動式クレーン運転技能講習」は、小型移動式クレーンのカニクレーンを運転する時に必要となります。
 カニクレーンは会社が導入したばかりで、操作を勉強中。小型移動式クレーンが運べないような墓地や霊園などに自走で入り作業ができることがカニクレーンの特長で、カニのような形をしているため名前が付いたユニークな小型移動式クレーンです。
 まだ数回しか操縦していませんが「楽しい」と感じ、同時に「まだまだ勉強しないと」とも強く思いました。他の小型移動式クレーンと比べて、カニクレーンは現場での操作に慣れる必要があります。会社としても、月一度はカニクレーンを現場で使いたいという方針なので、少しずつ勉強していきます。
 小型移動式クレーンの操縦以外に、建設現場に出れば重い物を運ぶ機会もあり、体力が重要になります。最初は慣れるまでとても大変でした。男性と同じように働くので、今でも現場に出ると全身が筋肉痛になるほど。夏は熱中症に気を付け、冬は寒い風に耐えて働きます。それでも、一日中思い切り体を動かせるので、自分に合っています。大変だけど、「楽しい」と感じられる瞬間があるからこそ、仕事を続けていられるんだと思います。

子連れ出勤ができる
会社の制度にも感謝を

 建設業界で働く女性の割合は少ないと思いますが、私と同じように女性がたくさん進出してくれるとうれしいです。そのためには会社のサポートが必要で、私が働く会社では子連れ出勤ができるので助かっています。
 子どもが病院に行くほど体調不良ではないけど、急な発熱の心配もあって保育園や幼稚園に行かせるのは心配...という日には、子連れ出勤ができます。社内にキッズスペースがある点も珍しいと思います。内勤が多い事務の社員さんは、子連れ出勤した場合にキッズスペースを利用されています。私は外に出る仕事なので、子連れ出勤した場合は、一緒に車に乗せて下見に出掛けることがたくさんあります。
 子どもの体調が心配な日だけでなく、学校行事の関係で急な時短勤務を希望する時でも柔軟に対応してくれます。アットホームな会社なので、家族ぐるみでの交流もあります。会社の「夏祭り」、秋の「家族小旅行」は社員の家族全員が参加します。女性が活躍するためには、こうした会社や職場の仲間の理解も欠かせないと実感しています。
 私の目標は、フォークリフト免許などもっといろんな資格を取ること。できる仕事の幅を広げて建設機械オペレーターとして会社から必要とされたいですし、女性もこの業界で活躍できるんだと思ってもらいたいですね。