岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

さまざまな仕事とライフイベントを経験し
人と人の思いをつなげる仕事に尽力
将来後悔しない生き方を選び
何事にも全力で取り組む


損害保険ジャパン株式会社 岐阜支店 支店長席 主任
市村玲子(いちむら れいこ)さん(岐阜市)

【2020年9月 3日更新】

損害保険ジャパン株式会社は、日本を代表する損害保険会社。近年の会社合併を経て、女性が活躍する環境づくりを推進しています。同社でさまざまな業務を担ってきた市村さんは、現在は女性活躍推進担当として「地域ダイバーシティin岐阜」開催のための中核を担当。女性活躍推進を図る県内企業の人びとをつなげ、地域に共感と活力を生み出しています。

さまざまな業務と
ライフイベントを経験

 私が入社したのは、会社統合前の日本興亜損害保険株式会社でした。最初に所属したのは営業課で、主に代理店の来店対応や見積作成などの営業事務を担当。その後支店長席に異動となり、今は支店の営業推進、秘書業務、総務、庶務、「地域ダイバーシティin岐阜」の運営などを担当しています。
 結婚後しばらくして子どもを授かり、会社の産休・育休制度を活用して、子どもが2歳1カ月になるまで子育てに専念しました。育休取得可能日数の多さだけでなく、復帰後の時短勤務制度もフレキシブルに取得可能なところが当社の魅力の一つ。フル活用させてもらい、現在は日々の仕事をもって会社に還元しています。

県の異業種交流会運営に尽力
共感と活力を生む

 2016年から岐阜県と協働開催している異業種交流会「地域ダイバーシティin岐阜」をご存知の人はどれだけいるでしょうか。県の人口流出と少子化対策を目的として、県内の企業からさまざまな年代、キャリア、契約形態の社員が集まり、グループディスカッションを通して意見交換をはかる催しです。当社は立ち上げから事務局を担当。講師の選定、企業への参加呼びかけ、県との詳細のすり合わせなど、私たちの仕事は多岐に渡ります。
 今年度は7・11・1月に開催。「岐阜県の少子化対策」・「キャリアアップ」・「仕事と介護の両立」をテーマに、会社役員、若手社員、子育て中のママさんといった多様な立場の参加者が、それぞれの立場から意見を出し合いました。これまでの開催を通して気づいたのは、立場は違えど、同じような境遇や考えを持つ人が多いこと。女性が活躍できる社会の仕組みを作り上げようという機運向上とともに、多くの共感が生まれ、参加者の活力につながりました。
 私自身が子育て真っ最中の立場なので、「やっぱりみんなそうなんだ!」と安心できた部分もありました。とてもやりがいのある仕事に関わらせてもらっています。

課題に向き合いながらも
仕事のやりがいを見出す

 とはいえ、開催に至るまでにはさまざまな苦労があります。特に苦労しているのが、企業への参加呼びかけです。県のウェブサイトにも情報公開されているため、催しの知名度そのものはそれほど低くないのですが、窓口となる企業の人事担当者との調整がなかなかうまくいきません。内容そのものには興味を持ってもらえても、開催地が岐阜市なので、例えば東濃や飛騨地域といった遠方にある会社だと、移動距離や経費の問題があり、参加が難しいことも多いです。会の趣旨上、働くママさんたちが参加しやすいように14時や15時開始になってしまう点も要因の一つです。地方開催も考えましたが、その地方からの参加者に偏り、趣旨と外れた会になってしまわないかという心配もあります。これらの課題に対しては、解決策を模索中です。
 一方で、参加者からは「また参加したい」「すっきりしました」といった前向きな声をいただきます。参加者アンケートの中には「明日からもがんばって生きていけます」という感想もあって、この会が誰かの救いになっているのだという実感が持てましたね。

自分と周囲の幸せのために
後悔しない生き方を選ぶ

 「私はもう後悔しないことに決めたの」という、ダイバーシティで出会った方の言葉が印象に残っています。子育て中のママさんで、仕事も子育ても後悔しないように取り組もうという強い意志をお持ちでした。当時、私も自分のキャリアと子育ての狭間で悩んでいた時期でしたが、将来「働き続けていれば良かったな」「働かないでもっと子どものそばにいてあげたら良かったな」と後悔しないように生きていこうと決心するきっかけになりました。
 だから、仕事は時短勤務制度を活用していますし、休日にはしっかりと息抜きもします。主人が「子どもと遊ぶのが大好きで、とても癒されるよ」と育児に協力的なのも助かっています。近くに住む両親を頼るときもあります。将来後悔しないようにと、仕事に育児に遊びにと、全力で取り組んでいます。