岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

子育て中のお母さんが
気兼ねなく時間を持てるように
地域のサポートとつなげたい


みのかも・ファミリー・サポート・センター代表
長沼厚子(ながぬま あつこ)さん(美濃加茂市)

【2020年10月13日更新】

「残業等で時間までに保育園にお迎えに行けない」「日曜日に仕事がある」「病院へ行きたい」「講演会に行きたい」「リフレッシュしたい」時などに、子どもを一時的に預かるファミリー・サポート・センター。育児の援助を受けたい人と、育児の援助したい人を結びます。子どもを預かるのは地域のサポート会員。ファミサポが橋渡し役となり、安心・安全に子どもを預ける場所を提供します。長沼さんは、みのかもファミリー・サポート・センターの代表として活躍しています。

私にできること
模索して出合えたこの仕事

 美濃加茂市のこども課の事業である「みのかもファミリー・サポート・センター」が、民間委託となった2018年から関わり始めました。当時、私は健康な体をつくることや糖質コントロールに関する料理教室をしていました。実家が飲食店だったことと、もともと料理が好きでしたので、食の大切さを伝えることをしたかったのです。そんな時に、現在の法人代表である安藤さんから、このファミサポをしてみないかと声をかけられました。「人のために、私ができることは何かないか」と常に考えていたので、困っているお母さんたちの手助けができるといいなと思ったのを覚えています。
最初は、子育て中のお母さんたちのお手伝いをしたいという思いだけでスタートしましたが、岐阜県子育て支援員研修で「地域子育て支援コースや地域保育コース、放課後児童コース」など、全コースを受講したことで、知識もついてきました。講師からは「どういった心構えで子育てを見守るか」といった気持ちの部分も聞くことができ、いまも大切にしています。約2年が経過しましたが、いろいろな勉強をして、すごく充実した時間だったので、もっと長く続けているように感じます。サポート会員の中には、保育士の資格を持つ方も多くいらっしゃいます。私たちセンタースタッフに足りないところをフォローして下さって、日々勉強です。
ファミサポを利用するお母さんは、状況がさまざまです。仕事をしている人、リフレッシュしたい人、精神的に落ち込んでいる人。どんな状況でも、まずはお母さんの気持ちに寄り添うことを大事にしています。リフレッシュのために子どもを預けることを後ろめたく思われるお母さんも多いです。でも、少しリフレッシュすれば、また子育てが楽しめると思うんです。ぜひ気軽に利用していただきたいです。

地域みんなで子育てを
助け合える地域づくりを

 みのかも・ファミリー・サポート・センターは、美濃加茂市だけでなく、美濃加茂市・坂祝町・富加町・川辺町・七宗町を対象地域としているので、そこに住んでいる、そこに勤務している子育て中の方はどなたでも利用ができます。また、サポート会員さんもそれぞれの地域の方が登録してくれています。地域内には、他にもいくつかの子育て施設や団体もあり、安心・安全に子どもを預かれるよう連携しています。山之上交流センターで活動している子育てサロン「グランマ」さんは、週に1度サロンを開いていて、料理やお菓子をつくって交流しています。毎回本当に多くの人が参加して、おしゃべりをしたりと情報交換をして楽しんでいます。ファミサポのことは4カ月検診で案内をしていますが、子育てが忙しい毎日のなかで忘れてしまう人もいます。まだまだ、ファミサポの制度を知らない人がいるので、子育てサロンや施設などでもPRしています。制度を知らないまま困っているお母さんがいたら、とても残念です。地域の人が子育てを助けてくれるので、ぜひ利用してほしいですね。いろんな人に関わった方が子どもの情緒も豊かになるともいわれています。安心して利用してもらうために、利用者とサポート会員さんは事前に顔合わせをします。ファミサポにサポートの依頼が入ると、私たちでマッチするサポート会員さんを紹介。事前にサポート会員の自宅安全チェックを行い、当日までに顔合わせを済ませておきます。
自分の子どもがファミサポにお世話になってありがたかったからと、子どもが大きくなってから、サポート会員になってくれるという人もいます。ファミサポを通して、子育て以外でも住民同士で助け合える地域になるのが理想です。

自分もリフレッシュをしながら
次の展望にむけて進んでいきたい

 子どもはもう36歳。孫がいます。私が子育て真っ最中のときには、こういった支援はありませんでした。社宅に住んでいたので、近所で6~7人でグループをつくり、遠足だと言ってはお弁当を作って子連れで少し遠方の公園まで歩いて行ったり、公民館を借りて食事会だと言っては料理を持ち寄ったり、リクレーションをしたりと仲間で子育てを楽しんでいました。
今後は食育の知識をいかして、子どもに食事についても伝えていきたいです。実は焼き肉店を経営したいという夢もあるんです。「あれもしたい、これもしたい!」ですね。いまはファミサポの仕事が充実していて忙しいので、時間に余裕ができたら挑戦したいです。
料理以外には山登りが趣味。最近は近辺の低山しかのぼっていませんが、これまで富士山をはじめ、白山、白馬、西穂高、奥穂高、乗鞍、御嶽山、屋久島の宮之浦岳、いろいろ登りました。頂上につくと涙が出てくるんです。つらいことも全部洗い流される気分ですよ。下山して温泉に入ると、完全にリフレッシュされます。
現在、私のほかに2人のアドバイザーとファミサポを運営しています。今後は各地域にサロンをつくって、交流会ができるようにしたいです。お母さんたちがコミュニケーションをとれる場ができるといいなと思っています。いろいろなことに挑戦できるように、3人の意思をしっかり統一していきます。地域の子育てお母さんたちを長く支援できるよう、持続させるために後継者の育成も必要。メンバーで力を合わせていきます。