岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

総合型地域スポーツクラブの
設立から携わって十年以上
今後も継続するために
新たな仲間を増やしたい


川辺スポーツクラブ 事務局長
土屋文子(つちや ふみこ)さん(川辺町)

【2021年8月20日更新】

■リード
岐阜県川辺町では、2010年に川辺スポーツクラブが誕生。子どもから高齢者まで、それぞれの目的・レベルに合わせてスポーツに親しむことができる総合型地域スポーツクラブで、地域住民が主体となり、自主的に活動を行っています。設立から現在に至るまで携わってきたのが、事務局長を務める土屋文子さんです。

友人からの誘いをきっかけに
設立準備委員会に加わる

川辺スポーツクラブの目的は、「川辺町におけるスポーツ活動の振興を図り、会員の健全な心身の保持増進に寄与し、心豊かで生きがいを持った人づくり・まちづくりを推進していくこと」です。2019年度の会員数は189名で、そのうち67名は中学生以下、122名は高校生以上です。
クラブの誕生から、2020年で丸十年が経ちました。私がクラブに携わり始めたのは、クラブ誕生の2年前。「一緒にやらない?」と現在クラブの理事をしている友人に誘われて、気軽な気持ちで設立準備委員会に加わったのがきっかけです。設立準備委員会では、これからクラブをどうしていくかという話し合いや、プレ教室の開催、県スポーツ協会の勉強会への参加などを経験しました。
岐阜県内では何千万円という規模で運営されている総合型地域スポーツクラブもありますが、うちはそれほど大きいクラブではありませんので、基本的には私一人で業務を担当しています。一人と言っても、意思決定は理事会で行っていますし、皆さんが想像されるような苦労はありません。強いて言えば、土日に運営や企画についての勉強会へ参加することがあり、その調整をする必要があるくらいでしょうか。働く時間を柔軟に調整しつつ、自分の中でこの時間までと区切るように意識しています。

教室やイベントに加わり
参加者の意見を反映

 仕事の中心はお金の管理で、仕事の大変さよりも、運営にあたっての資金繰りの方に苦心しています。財源は自主事業の割合が高く、教室やイベントに参加していただいた方から集める参加費が中心です。
 そのためどんな活動を行うか企画は重要で、いろいろな年代の方が参加できるように検討しています。2020年度は教室部門としてヨガ、バドミントン、健康体操、ピラティス、HIP HOP、サークル部門としては卓球、ミニテニスを行っています。
 とはいえ新規事業を立ち上げて赤字になっては困りますし、活動場所にも限りがあるので、毎年どんどん新しい企画を打ち出しているわけではありません。既存の参加者が見込めるものをベースにしながら、参加者の意見を踏まえて、時間や募集年齢を変えるなど改善しています。
 参加者の声を聞くために、自ら教室やイベントに加わる場合もあります。もともと運動は好きではなく、趣味としてスポーツに取り組んだ経験はまったくありません。健康のために少しはやってみようと思う程度です。一方の考えばかりだと意見が偏りますし、運動が好きではない人目線の意見も役に立っているのではと思います。

活動休止からの再開後
待っていたのは喜びの声

2020年、新型コロナウイルスの影響でクラブは休止状態が続き、6月から順次再開しました。2020年度は参加を見送ろうと会員を辞められた方も何人かみえたなか、クラブの再開を待っていてくださった方は喜んで参加してくれました。
当面の目標は、クラブを継続させていくこと。そのためには会員の増加はもちろんですが、一緒に活動してくれる後継者の育成も課題です。理事会は長年スポーツ行政に尽力されている方が多く、仕事の都合や高齢を理由に辞められていくばかりです。なかなか次の担い手を探せていないのが現状ですので、人材の育成には難しさを感じています。教室やイベントへの参加者の中から、未来の担い手が生まれてくれればいいなと願っています。