岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

心掛けていることは
心身ともに健「幸」です。
心も体も健やかで、
気持ちも幸せで穏やかに


社会福祉法人はしま 特別養護老人ホーム「光輝苑」 介護職員
浅野秋子(あさの ときこ)さん(羽島市)

【2021年9月 3日更新】

社会福祉法人はしまの介護職員として16年目を迎えた浅野秋子さん。71歳ながら率先して仕事に取り組み、その頑張っている姿が他の職員のやる気にも繋がっているそうです。これからも、みんなの手となり足となっていきたい、と意欲を見せます。地元の合唱団にも所属し、全国大会出場も経験しました。

事務職から資格を取って転職
仕事のやりがいが違う

 嫁いだ際、夫の両親は高齢でした。義母は脳梗塞で少し不自由していましたが、自分のことはやれていましたので、専業主婦でなく、仕事を続けることにしました。ずっと事務職で、パソコンに向かう仕事ばかりをしてきました。
 私自身も年齢を重ねてきて、将来を考え出したとき、何か資格を取りたいと思ったのです。会社の中の友人と研修を受けたのが、ホームヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修)の資格でした。
 取得後に、社会福祉法人はしまに転職しました。特別養護老人ホーム「寿光苑」に11年勤め、ここ「光輝苑」に異動して5年になります。当初はパートで働いていましたが、現在では嘱託として夜勤にも出ています。
 パソコンを相手にしていた事務の仕事とは違って、今は「仕事をした」という感じで1日を終えることができます。ご利用者の笑顔が見られたり、人の役に立っていると感じられたりと、とてもやりがいのある仕事で、もっと早くからやっていれば良かったと、少し後悔もしています。

大変なことも少なくないが日々の小さな発見が嬉しい

 現在は、主にショートステイを担当しています。認知症の方も多いので、意思が通じないことがよく起こります。こちらの思いや考えが相手に伝わらないのは、お世話をしていくうえで本当に大変です。その人らしさを保ちたいと思っていますので、あまり無理強いはできません。どう対応していくかが難しいところです。
 リピーターの方も多く、ときに前回ご利用時との変化に気づくことも。今日は笑顔が晴れやかだとか、今日はこんなことができるようになったとか、意外な一面を見せてくれたとか、この仕事ならではの喜びです。

できる限り家で過ごしていただけるように努めて

 ショートステイなので、いずれはご自宅に戻られます。おうちの方とのパイプ役となる生活相談員から、ご自宅での様子やご家族の言葉など連絡を受けて、できるだけ家で過ごす状態と同じような形でお世話をしたいと思っています。普段、畳のお部屋で暮らしているなら、畳を用意することもあります。
 また、体操をして体を動かす時間を設けて、メリハリのある毎日が送れるよう、お手伝いします。食事についても、管理栄養士さんと相談して、食材を細かく刻んで食べやすくするなど、それぞれのご利用者に合わせて提供することを心掛けています。
 以前、担当していた方が亡くなったとき、お手紙を書かせていただきました。重度の認知症の方でしたが、ご家族が私のことをすごく信頼してくださっていました。私は仕事の都合でお通夜しか出席できませんでしたが、告別式でその手紙を弔辞として列席された方々の前で読まれたと、生活相談員に聞きました。ご家族からは未だにお手紙をいただくこともあり、この仕事をやっていて良かったと、改めて思わせてくれた出来事です。

生涯現役を目指したい
年1回の海外旅行でリフレッシュ

 夫とは「お互いに生涯現役でやっていこう」と口を揃えています。いつまでも働いていたいです。でも仕事一辺倒でなく、趣味も楽しみたいと思っています。
 光輝苑の介護主任に誘われて、羽島市文化センター所属の合唱団に参加しています。毎週日曜日の夜7時からの練習に出られるよう、勤務を組んでもらっています。年に2回発表会があって、ミュージカルもやっています。
 毎年1回の海外旅行も楽しみにしています。仕事をリタイアした友人たちは時間に余裕があるため、段取りなどはすべてお任せです。1週間余りお休みをいただくのですが、職場の理解がありますので、勤め始めてからも欠かさず出かけられています。
 これまでにドイツやイタリア、フランスなどヨーロッパのほか、ベトナム、シンガポール、韓国などに行きました。帰国すると「仕事を頑張って、また来年」と、次の旅行がもう待ち遠しくなります。できれば北欧へ出かけて、福祉の現場を見てみたいです。
 いくら長生きしても、健康で元気でないと駄目だと思います。これからも仕事、趣味ともに楽しく続けられることを目標にしています。