岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

何ごとにつけても
とにかく丁寧に。
忙しいときほど
丁寧を心がけています


小池土木株式会社 工務部(建築担当)
田口 里恵(たぐち りえ)さん(可児市)

【2022年8月15日更新】

小池土木は道路建設工事をはじめ橋梁補修や河川改修、水路整備、駅前広場造成、市立小学校の校舎や体育館の修繕など、可児市を中心とした公共の土木工事を担っています。二級建築士の田口里恵さんは、主に建築物改修の現場監督として従事しています。

就職後に設計を勉強
以前は住宅を建てる会社に勤めており、そこで主に設計をやっていたほか、管理の仕事も少し携わっていました。入社するまでに建築や設計などを勉強していたわけでなく、会社に入ってから学び始めました。
 仕事をしながらの勉強は大変そうに思われますが、私は楽しかったです。何も知らなかったので、勉強を進めていくなか次々と新しい知識が増えていきました。喜びでしたし、楽しかったです。現場に行っても、図面を描いていても、とにかく楽しかったです。若さもあったのでしょうが、楽しいと感じていたからこそやれたのだと思います。
 当時はCADシステムが出始め、どんどん進化している時代でした。だから設計の知識がなかった私でもできたのだと思います。初期のCADはあまり使い勝手のよいものではありませんでした。図面の印刷も現在のようにすぐ出てくるのとは違って、打ち出しに1時間ほどかかりました。設計の知識がある今では逆に最新のCADについていけていません。
 振り返ってみれば、実家の隣が大工さんで、働いている姿をよく見ていたので、子どもながらに面白い仕事だなと思っていました。あまり意識はしていませんでしたが、建築の仕事に進んだきっかけだったかもしれません。
 弊社は公共工事が中心で住宅の仕事をする人材がいませんでした。以前の会社が弊社の下請けの仕事をしていた関係もあり、声をかけていただいて弊社へ移ることとなりました。

多くの初体験の仕事
 当初は一般住宅の建築も少なからずやっていましたが、ここ数年は公共工事が大半です。可児市からの依頼が多く、最近は新たな公共施設などの建築はありませんので、建物の修繕、改修が主体となっています。
 改修の仕事はなかなか面白く、建物内部の構造を見る機会があります。可児市の公共施設は40年ほど前に建てられたものが少なくありません。それらの改修を手がけていると、初めて見るような工法なども出てきてかつてはこんなふうに造っていたんだと、気づかされます。「初めて見ました」と口にすることも多く、ベテラン社員にいろいろと聞いて覚えていくのですが、新しいことに出合うたび楽しくなります。
 初めての夜勤は今も覚えています。小学校の体育館のアスベスト(石綿)除去をする仕事でした。子どもたちがいない夏休み中に行うのですが、昼間では体育館の屋根裏が夏の日差しで50度くらいになり。作業ができないので、夜中に作業をすることになりました。
 今渡駅の公衆トイレ建設を任されたときのことも忘れられません。RC造(鉄筋コンクリート造)の建物は初めての経験でした。ひとりでやるはずが、最初の測量からみんなに手伝ってもらいました。学ぶことが多い現場でした。
 工事には期限が設定されています。予定通りに進められるよう、現場の態勢を整えるのも現場監督の役目です。協力し合って気持ちよく作業ができるように心がけています。

仕事を優先にしがち
 家族は娘がふたりいますがいずれも嫁いでいます。私は娘たちが小学生の頃に離婚し、それからシングルマザーで育ててきました。自分のことは自分でやる娘たちでしたので仕事をしていても割と楽でした。
 続けている趣味というのは特にありません。毎週のようにテニスをやっていた時期もありましたが、仕事が忙しくなりやらなくなってしまいました。最近になってゴルフを始めて、ゆくゆくは教室にも通いたいと考えています。それからコロナ禍で行けていませんが、ミュージカルなどを友だちと見に出かけることくらいです。
 私の性格からかどうしても仕事のことばかり考えてしまいます。次の現場のことが気になってしまうと、休日でも会社に出勤します。友だちと旅行の計画を立てていても、仕事で断ることがこれまでも数回ありました。オンとオフをしっかり区別することも大事だとわかっているのですが難しいです。今後、ワーク・ライフ・バランスには気をつけていきたいと思っています。

日々学ぶことばかり
 一級建築士の資格を取りたい、と思いながも現状は難しいです。もっと早い時期に取得するべきでした。仕事を任されるようになると責任もあって、目の前の仕事に気がいってしまいます。新しい技術や工法なども次々に開発されているので、学ぶことばかりです。
 可児市に生まれ、可児市で育ち、今も可児市に住んでいます。まちに出ると、私が改修工事に関わった施設や道路を目にします。それがやりがいといいますか、今日も仕事を頑張ろうという気持ちになります。