岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

子育てを少し忘れて
ホッと安心できる店に。
飛騨市商工会が主催した
経営セミナーも転機に。


cochicca(コチッカ) 代表
谷倉 めぐみ(たにくら めぐみ)さん(飛騨市)

【2022年8月15日更新】

谷倉めぐみさんは2018年、「好きなことを仕事に」と一念発起。韓国の子ども服を中心に、大人向けアパレル、地元作家の手作り作品を販売する「cochicca」をオープンしました。コロナ禍でマスク不足になった際は、マスクの自動販売機を設置。話題を集めた谷倉さんに話を伺いました。

育児に奮闘するかたわら
商工会の経営セミナーに参加

実家は高山市国府町で、結婚を機に飛騨市古川町に移りました。高校卒業後、最初の仕事は地元信用金庫の窓口業務でした。対面接客の楽しさを知る原点だったと思います。仕事は楽しく7年勤め、それからスノーボードのインストラクター、結婚には子育てをしながらフェイシャルアドバイザーとして働いたこともあります。
三姉妹の子どもがいて、三十代はほぼ育児をして終わりました。それでも、育児をしながら「いつか、自分でお店をやりたい」という目標を持ち続けていました。そんな時に飛騨市商工会が行う経営セミナーに参加しました。経営セミナーは無料で受講でき、多くのことを学べました。指導してくださったのがコンサルティング・シストの伊藤慎悟さん。リアル店舗を経営する大変さを実感しました。飛騨市商工会の手厚いサポートに感謝しています。また、同時期に私は歳の近い友人との別れを経験したことで『人生一度きり。後悔するより、今を生きてやりたいことをしよう!』と考えるきっかけにもなりました。強く心に誓いました。

韓国のかわいい子ども服
大人向けブランドも販売

自分が子育てをするなかで、やっぱり夢中になったのがかわいい子ども服。子育て経験があるお母さんなら共感してもらえるはずです。伊藤さんからのアドバイスもあり、商材を雑貨に絞るのではなく、雑貨とアパレルを販売する店にしようと考えました。
「cochicca(コチッカ)」という名前は、私の子どもたち「こゆき」、「ちあき」、「りっか」の名前からです。店は以前、音楽教室だった場所です。子どもが学ぶ場だったからか、前々から素敵な場所だと感じていました。オープン前には、大工の夫に協力してもらいリフォームをしました。古材を使ったカウンターとテーブル、店もかわいくして、ナチュラルな空間にできました。
メインは韓国のかわいい子ども服ですが、大人の女性向けアイテムや、5~6人のハンドメイド作家さんの作品も委託販売しています。子
どもを連れて子ども服を買いに来てくれた女性が「大人向けの服もあるんだ!」っと、喜んでくれださるのもうれしいです。

コロナ禍で話題を集めた
マスクの自動販売機!?

コロナ禍で、一時期マスクが不足することがありました。飛騨市職員の方と相談して、補助金を活用させてもらい生まれたのが半年間設置したマスクの自動販売機です。マスクは作家さんが一枚ずつ手作りしたもの。いろいろな方に相談して、病院でお菓子を販売するタイプの自動販売機を使いました。購入された方が、マスクを欲しがっている方に『マスク、cochiccaにあるよ』と広めてくれたそうで、テレビ局も取材に来てくれました。
そして、コロナ禍で失職した方を支援する飛騨市の制度も活用。私以外にもう一人、お手伝いに来てくれるスタッフを雇用でき、助成期間が終わった今も仕事に来てもらっていて、店としても雇用につながりました。

子育てをする女性の
癒しの空間になれたら

 店を始めて4年目。遠方からのお客さんも多いので、遠くの人にも届けられるcochicciaの移動販売車のようなものを作ることが次の目標です。店を始める前、『3年後の時点で、大変でつらかったら辞めよう』と決めていました。でも多くの人に支えてもらい、まだまだ、楽しいことをいろいろとしていきたいです。
アイテムは私の感性、お客さんの要望を聞いて入荷していますが、「数が多いよりもアイテムが厳選されているから選びやすい」という声をいただけます。ネットショッピングなら大量に選べますが、セレクトしてあることも強みだと感じています。
子ども連れのお母さんは、店に入ったら、その時だけ子育てを少しでも忘れてもらいたい。自分や子どもの服を見たり、手に取ったり、ストレス発散になったらうれしい。私もお客さんが連れてきてくれる子どもと会えるのが楽しみです。成長を見て「もうこんなに大きくなったの!」って感動することが、私の癒しにもなっています。