岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

母から言い聞かされた
「実意」という言葉を
ずっと大切にしています。
何をするにしても、
真心を込めて大事に!


岐阜県羽島地区交通安全協会正木支部 支部長
小川 真由美(おがわ まゆみ)さん(羽島市)

【2022年8月15日更新】

家業のふとん店を営みながら、交通安全の啓発活動を続けてきた小川真由美さん。交通事故のない安全・安心なまちをめざして、四季の交通安全週間の街頭指導をはじめ、地域行事の際の交通整理や安全誘導などを行ってきました。まさき夢づくり振興会の理事を務めるなど、地域振興にも力を尽くしています。

女性支部長として9年
 私の父が正木町地区の交通安全の役員をしていました。父が病気で亡くなったあと、ご近所の方が引き継いで役員をされていたのですが、高齢になったのでバトンタッチしてもらえないかと声をかけられたのが、交通安全の活動に携わるようになった、きっかけです。それが平成5年でした。
 声をかけられた当時、安全協会の活動内容はほとんど知りませんでした。ただ地域のためになるならという気持ちで始めました。平成21年から羽島市の交通安全協会女性部の会長を務めました。協会も次第に高齢化していて、若い世代に役員をという動きのなかで平成24年に正木支部の支部長に就任しました。支部長の立場になって責任が発生しましたが、皆さんに助けられて何とか成り立っています。
 正木支部は総勢54人で、14班に分かれて取り組んでいます。主な活動としては毎月15日の朝に実施する街頭指導、年に4回ある交通安全週間中の啓発活動、高齢者や小学生の交通安全教室などです。交通安全の啓発には終わりがなく、できる範囲も決まっています。最後は地域の皆さん次第です。
 ひとりひとりが交通安全を心がけることが大事で、それに対して私たちはコツコツと地道に事故の抑止につながるような活動を続けることしかできません。皆さんの志と私たちの活動が実を結び、地域から交通事故が1件でも減ることを願っています。

活動に工夫を凝らして
 交通安全の啓発は縁の下の力持ち的な活動で、決して前に出るものではありませんが、自分たちも楽しく活動に取り組めるように、工夫を凝らしてきました。
 たとえば、夏の交通安全週間には「夕涼み啓発活動」と名付けて、浴衣姿で交通安全を呼びかけています。12月にはサンタクロースの扮装で街頭に立ちます。毎年恒例となっていて、運転者や歩行者の目を引くことで、今一度交通安全について意識してもらおうという狙いもあります。どちらも私の発案で始めたものです。
 登校時の子どもたちに「気をつけていってらっしゃい」と声をかけると、「いってきます」と笑顔で返事をしてくれます。とてもうれしく、それがやりがいです。交通安全を通じて、広くいろんな方と知り合うことができるのも魅力で、知り合った方々と共有の目標に向かって活動することが張り合いとなっています。

コロナ禍での取り組み
 街頭指導は朝や夕方に行います。ちょうど食事の用意など家事の時間にあたり、母にはずいぶん助けてもらっています。家業のふとん店の仕事もありますので、夫や母、息子たちの協力と理解がなくては、これまで活動を続けてこられなかったと思います。
 以前は友人たちと食事や温泉旅行にいくのが楽しみでしたが、コロナの影響でどこにも出かけられないので、今は韓国ドラマにはまっています。ドラマに出てくる韓国料理にも興味がわいて、いろいろとレシピを調べて作っています。
 新型コロナの感染防止のため、理事をしている正木コミュニティセンターの行事も大半が中止となり、昨年から役員会も開かれていません。交通安全協会の活動も同様で、例年どおりとはいかないことが多いです。
 コロナ禍らしい取り組みとしては、黄色いマスクがあります。岐阜県警の方からの助言で黄色いマスクをつくりました。安全協会員や市の職員、見守り隊の方々につけてもらい、朝の交通指導に立ちました。黄色のジャンパーと黄色の帽子、それに黄色のマスク。大きな声を出して交通安全を呼びかけなくても、全身が黄色なので自然と注意を促すことができます。新聞やテレビで取り上げていただきました。

後継者が目下の課題
 残念ながら今年7月に、正木町内で高齢者の死亡事故が起こりました。自転車で斜め横断をしていたときのことでした。自分では早く動いているつもりでも、渡り終えるまでに時間がかかるなど、どうしても高齢になると自分の思いと体が合わなくなってきます。
 高齢者の自転車運転が危ない様子をよく見かけていましたので、老人クラブの安全教室などでは、必ず注意するよう声がけをしてきました。事故後すぐに、その地点に「斜め横断注意」の横断幕をつけるなど、本当に地道な活動ですが、今後も交通安全の呼びかけを続けていきたいと思っています。
 正木支部は私よりも年上の方ばかり。私も28年目を迎えました。これからの活動を見据えれば、40代の方に託していきたいと考えます。しかし、町内になり手がいないのが課題です。死亡事故ゼロのまちをめざすためにも、良い人材を見つけたいです。