岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

継続は力なり。
積み重ねがなければ
前には進めません。
自分の心に負けないで
絶対に途中であきらめない


養老町女性会議 事務局
皆川 雅子(みながわ まさこ)さん(養老町)

【2022年8月15日更新】

男女共同参画社会の構築を掲げて活動している養老町女性会議。機関誌「とんぼ」をはじめ、議事録や資料類などは、事務局の皆川雅子さんがすべて制作を担っています。町議会議員時代には、初代となる女性議長も務めました。また、生活と環境を考える会の発足に携わるなど、環境問題にも取り組んできました。

半田先生に背を押され
 私は「ぎふ女性大学」で女性問題について学んだり、養老郡婦人会の代表として三県(鹿児島・宮城・岐阜)交流に参加し、女性活動の重要性にかかわるワークショップを体験したりして、男女共同参画の重要性を強く感じていました。
 養老町は平成10年12月、新町長のもと、新体制が始まりました。町長と執行部、住民による懇談が開かれて、男女共同参画、女性の地位向上などについて意見交流が行われました。そこで町長に、男女共同参画をやらなければ地域の発展がない、と意見を述べました。
 幸いにも新町長は理解があり、行政と住民のパートナーシップによる男女共同参画社会の構築への第一歩を踏み出しました。これを機に「養老町女性会議」を平成11年1月14日、発足しました。眼科医で、さまざまな活動を通して地域に貢献されてきた、半田登喜代先生に顧問をお願いして、私が初代の代表に就任しました。
 そんなある日、半田先生から町議会議員になるように提言されました。無理です、と3度おことわりしていたら、とうとう怒られてしまいました。先生の尽力と、女性会議の後押しもあって出馬し、なんとか当選しました。
 以後、先生の助言もいただきながら、女性会議会員やみなさんの声を議会にあげて、男女共同参画社会の実現をめざしました。実現すれば、養老町はきっと素敵なまちになると信じ、16年間走り続けました。

町民の力で良いまちへ
 養老町女性会議を発足して間もない頃、猪口邦子さんの講演を聞く機会がありました。女性の活躍を阻む「ひるむ」「引きなし」「ひがまれる」という「3つのH」についての話が出ました。日本社会では、引き上げてくれるひとがいないと孤軍奮闘しなくてはならず、ひるんでしまう。たとえ引きがあっても、周りからひがまれてしまう。だから新しいことを始めるときは、多少の軋轢も覚悟のうえで頑張る、タフな心で開き直ることも重要だ、と。感動すると同時に、すごく力をいただきました。大橋さんという強い存在もあり、ふたりで励まし合って頑張ってきました。
 平成13年には、ぎふ女性大学のような学びの場として「町民大学」をオープンしたほか、「生活と環境を考える会」も設立しました。男女共同参画は横断的な取り組みです。女性会議としては教育、子育て、環境問題、福祉など、それぞれ個別にも活動を進め、地元の人材を育てて、町民の力で養老町をよくしていきたいと考えたのです。
 平成16年、「養老町男女共同参画のまちづくり条例」案が、議会で否決されてしまいました。ならば住民直接請求をしようと、大橋さんと活動を始めました。前岐阜県商工会会長を務めた山田良造氏に住民直接請求代表を引き受けていただき、平成17年1月25日〜2月25日までの1ヶ月間で、有効数539名を上回る1,769名の署名を確認します。
 直接請求の結果、議会は質疑・討論を省略し、議員提案の形で全会一致となり、平成17年3月に条例は可決されました。多くの町民の署名が議会を動かしたのだと思います。

独学でパソコンを習得
 特に趣味はなかったのですが、女性会議の活動を記録していきたいと、パソコンを始めました。独学ですが、機関誌の「とんぼ」や議事録などの冊子を作れるまでになり、今ではパソコンが大好きです。
 ウェブ上でのお友だちもできましたし、そのやりとりが楽しいです。情報も豊富で、活動に協力いただいた大学の先生の論文を、送っていただいたこともあります。
 19年間にわたり、いろいろとご指導くださった半田先生の、生前の原稿をまとめた遺稿集も作成しました。振り返ってみれば、半田先生への感謝ばかりが思い起こされます。機関誌の名称「とんぼ」は、とんぼの眼のような広い視野を持ち、互いに学びあいながら、全体のレベルアップに努めていこうと、先生が名付けてくださったものです。

後進の育成に努める
 養老町女性会議が発足して22年が経過しました。当時は「男女共同参画社会基本法」が制定されたばかりで、三県交流やぎふ女性大学で学んだことが活動の原点となりました。以来、女性にとって生きやすい社会の実現を目指して、仲間の皆さんと歩んできました。
 現在では岐阜県の「男女共同参画・女性の活躍推進課」を中心に、きめ細かな施策や取り組みが進められているほか、さまざまなセミナーや講座が開かれています。こうした行政の力を活用しながら、女性会議としましても、活動をよりレベルアップするため、今後を担う人材の育成に努めていきたいと思います。