岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

好きな言葉は「和気致祥」。
気持ちが穏やかだと
幸せがもたらされる、
という意味で
普段から心がけています


社会福祉法人大垣市社会福祉事業団 事務局働き方改革等担当課長
加藤 千恵美(かとう ちえみ)さん(大垣市)

【2022年8月15日更新】

2015年度「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」に認定された、社会福祉法人大垣市社会福祉事業団。支援制度の充実をはじめ、事業団職員が働きやすい環境づくりに取り組んできました。その最前線にいるのが加藤千恵美さんです。職員の仕事に対する悩みや不安などの相談を受ける「ジョブサポーター」としても活躍しています。

ボランティアを機に
 学生時代に一人暮らしのお年寄りの家に行くというボランティアを月に1回やっており、訪問先の80代のが私を孫のように可愛がってくださいました。
 最初は保育士になりたくて、幼児教育科に進学しましたが、この出来事がきっかけで高齢者と関わる仕事をしたいと思うようになり、卒業後は大垣市職員として特別養護老人ホームに就職しました。11年目に異動があり、デイサービスセンター等を経験し、軽費老人ホームで長く勤務していました。
 福祉の仕事にやりがいを感じていた私は、大垣市社会福祉事業団の職員として福祉の仕事を続けていくため、平成21年4月から事業団職員となりました。

職員の気持ちを楽に
 令和3年度から、現在の事務局働き方改革等担当課長を務めています。役職名のとおり、働き方改革に向け、ワーク・ライフ・バランスに関するマネジメント企画を立てたり、事業団のジョブサポーターとして5施設を巡回して、職員の相談を受けたりするのが業務の中心です。また、24時間体制で電話相談にも対応しています。
 それ以前は養護老人ホーム、軽費老人ホーム、デイサービスセンターの3施設の係長をしていました。介護や福祉の現場で高齢者の方々と触れ合い、相談事の対応などにも携わっていたのが、相談を受ける対象が高齢者から事業団職員に変わりました。
 毎月1回、定期的に施設を回り、職員の話を一人あたり30分ほど聞きます。仕事に関する悩みや職場環境への不満、ときには家庭に関することまで内容はさまざまです。コロナ禍で、これまで以上に職員のみなさんはいろいろと気を遣うことが多く、精神的な負担も増えています。できる限り、悩みなどを共有して寄り添うよう努めています。
 話をしていくうちに、硬かった表情が次第に柔らかくなって、最終的には笑顔に。「気持ちがすっきりしました」「話を聞いてくれてありがとう」と言葉をかけていただくこともあり、この仕事をしていて良かったなと思う瞬間で、やりがいも感じます。
 一方、葛藤もあります。問題が職場の環境であれば、改善に向けて環境を整えていくのですが、ご本人の問題の場合は、ご自身で気持ちを整理し、考え、答えを見つけてもらわなければ、解決には至りません。面談をしていて、すぐに何とかしてあげたいと思うのですが、やはりこちらでできる事は限られるので、力になれないときには自分自身にもどかしさを感じます。私自身も成長しなければと感じる瞬間で今後の課題です。
 「ストレスは溜まりませんか?」とよく聞かれますが、あまりストレスと感じたことがありません。以前、夫から「何ごとも良い風に考えればいいんじゃない」と言われてから、起こったことは受け入れ、どんなことも前向きに考えるようになりました。そのプラス思考のおかげか、ストレスも自然に解消されているみたいです。

息抜きは4人の孫たち
 夫、息子、娘の4人家族です。娘は結婚して、県外で暮らしています。娘の第4子出産時には、上の子どもたちの世話を手伝うために娘宅に行き、そこから職場まで通いました。出産の前後には休みをいただいたり、半日勤務にさせていただいたりと、職場の方々の理解や協力には本当に感謝しています。
今は孫たちの顔を見て一緒に遊ぶのが楽しく、私にとっては良い息抜き、気分転換にもなっています。

目標は働きやすい環境
 理想のワーク・ライフ・バランスというか、職員が仕事にもやりがいを持ち、生活でも充実していて、その両方の相乗効果で、職場の雰囲気がより良くなっていく。そんな快適で働きやすい環境づくりを目標としています。そのためにも自分の経験を生かしながら、少しでも目標に近づけるよう、お手伝いできるといいなと思っています。
 また、コロナ禍の今だからこそ「和気致祥」を心がけて、常に笑顔と感謝の気持ちを忘れず、穏やかな気持ちで日々を過ごしたいと考えます。そしてコロナが落ち着いたら、毎年出かけていた孫たちとの旅行、友人たちとの食事や温泉旅行などに、また行きたいです。定年後には小さな喫茶店を開いてみたい、という夢も持っています。