岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

女性警察官ならではの経験で
職場改革と人材育成を実施
自分らしく輝きながら
県民に寄り添い
地域の活性化を目指す


岐阜県警察 刑事部機動捜査隊 機動捜査隊長
西田美乃里(にしだ みのり)さん(岐阜市)

【2022年10月11日更新】

 岐阜県警初の女性所属長として機動捜査隊長を務める西田美乃里さん。数少ない女性幹部の一人として、女性警察官の職域拡大など女性活躍を牽引してきました。
女性だからできないと決めつけず、活躍できる道を探し行動し続けてきた経験を活かし、所属長として、職員一人一人の声に耳を傾け、誇りと使命感を持ち働くことができる職場づくりに尽力しています。
 被害者支援を通じ学んだ「今を生きる」という思いは、当時小学生だった息子さんにも伝わり、「生きる力」と書いた彼の書が、西田さんのお守りとなっています。

働きやすい職場づくりに向け前進あるのみ

 私は、女性警察官の割合がわずか1%の時代に警察官を拝命しましたが、拝命後は「現場にも女性が必要」との認識が高まればと、被害者支援や事件捜査に従事しつつ職域拡大等に努めてきました。ただし、事件事故の発生は予測できないこともあり、夜間の呼出しや子供との約束が守れなかったことが幾度となくあるなど、仕事と家庭を両立しようとする者にとっての不安はつきず、まさに綱渡り状態でした。
 このような経験を踏まえ、後輩には同じような思いをさせたくない、働きたい人の障壁となるようなものを取り除きたいとの思いもあり、女性活躍のリーダーとして、時短や再任用制度、育児中や復帰後の支援、異動への配慮など様々な施策に携わってきました。
 令和4年4月現在、女性の割合が約10%となり、今では様々な部署で必要とされ活躍する女性警察官の姿を目にすることができるようになりました。また、最近の女性の働き方に触発され、自分らしい働き方を見つけ活躍する男性警察官の姿も見られるようになりました。
 今後とも、女性の活躍が職場改革の起爆剤となり、ひいては男女共に活躍できる働きやすい職場づくりや、個々の活躍が県民の安全・安心につながるよう、リーダーシップを発揮して取り組んでいきたいと考えています。


機動捜査隊の活動・存在が県民の安全安心の象徴に

 私は、令和4年4月から県警では初めての女性所属長として、刑事部機動捜査隊長を務めています。
機動捜査隊は、凶悪犯罪や110番通報による緊急事件の初動捜査、犯罪が多発する地域での犯人検挙に向けた捜査等を任務としています。
隊員に対しては、不安を抱え警察官の到着を待ちわびる被害者等の元へ迅速に駆けつけること、犯人の早期検挙に向け捜査を尽くすこと等を指示し、活動は県民の視点に立ち安全安心の象徴となるよう取り組んでいます。
 ある朝、「命を懸けて向かう現場もあり・・・」との隊員の会話が漏れ聞こえたことがありました。
 「県民の安全を守ること」はもちろん、危険が伴う現場で活動する「隊員の命を守ること」も私の使命です。有事に備えた訓練や隊員が活動しやすい環境活動への支援、具体的な指揮等を行い、常に隊員の安全を考えて勤務しています。
 このほか、運営面では、私の経験から得たアイデアや、10年後を見据え若手の意見を反映させた合理化・効率化を図っています。社会情勢や県警の理念にマッチしているか、県民の理解が得られ県民にとってベストな取組かを考えながら今後も役割を果たしていきたいと思っています。

自分らしい(私なりの)生き方

 私は「自分らしく生きること」を意識し前進してこそ活路が開けると信じ、目標を持ち人生を歩んでいます。この思いは被害者等に出会い学んだことでもあります。
 突然の被害で重傷を負いPTSDを患うも「元どおりの自分になりたい。」と何度失敗しても諦めず前を向いて進む姿に「生きる力」を学びました。「勇気がなく一歩が出ない。一緒に踏み出してほしい。」と頼まれ、署の駐車場で白線を超えたあの日は、自分らしく生きる私にとって忘れられない一歩となっています。
 女性は結婚・出産したら退職という時代に「好きな仕事を続け私らしくも生きたい。」と両立の道を選択したことも、その経験を通じ成長しいろいろな役割を通じ得られたアイデアを業務の合理化・効率化や人材育成に活かせています。
日々成長は私のモットー、自分磨きに終わりはありません。職場・地域社会・家庭、立場や役割は違いますが、今何が求められ将来何が必要になるか考え、どの場所でも自分らしく輝き、今を生きていきたいと思っています。
 趣味は、「我が街散策」と「家族共通の趣味を」と始めた「ゴルフ」です。
散策では学びや発見の連続です。岐阜の良さを改めて感じながら、安全安心を守る使命はもちろん、地域の活性化に向け、私に何ができるか考えながら楽しんでいます。