岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

入社30年を迎えましたが、
「やりきった!」とは
思っていません。
挑戦したいことが、まだあります。


三井住友海上火災保険株式会社 東濃支社 支社長代理
鈴木 恵子(すずきけいこ)さん(多治見市)

【2023年6月22日更新】

長時間労働の見直しや有給取得の推進、育児休業期間の延長、DXの推進など、働きやすい環境の確立に向けて、多様なアクションを起こしている三井住友海上火災保険株式会社。東濃支社に勤務する鈴木恵子さんは、在宅勤務制度をうまく活用しながら、介護と仕事の両立を図っています。また、2022年の年末には、鈴木さんが取り組んだペーパーレス化活動が一定の成果を出したことから、その内容が社内ニュースに取り上げられました。

26歳で就職
 私は20歳の時に結婚して、その後第一子と第二子を出産しました。ふたりの子どもはすくすく成長し、子育て生活にも慣れてきたので、26歳で就職活動を開始しました。当時は今のようにネットで仕事を探す時代ではなかったので、採用情報を新聞で探していました。
 結果的に今勤めている会社に入社したわけですが、選んだ理由は自宅と子どもが通っている保育園に会社が近かったからです。勤務先と子どもの預け先が近いと、何か呼び出しがあった時にも駆けつけやすく、加えて、仕事帰りに子どもを迎えに行ってすぐに帰宅できるので、夕飯の支度も早く取りかかれるというメリットがあります。つまり、子どもの生活を最優先に考えた上で仕事を選びました。
 周囲の同い年の女性は、私よりも先に社会に出て、すでに働いていました。だから、私としては少し焦りを感じていたのです。でも、それが「これからがんばろう!」という原動力にも置き換わりました。
 保険商品は多種多彩。仕事を進める上では、それぞれの知識が求められます。ですから、学ぶ姿勢を常に維持しなければなりません。子育てをしながら新しいことにゼロからチャレンジするのは決して楽ではありませんでしたが、先輩や上司にサポートしていただきながら、段階的に知識を積み上げることができました。また、専門的な資格も取得しておいた方がいいということだったので、そのための勉強時間を家事の合間に確保。30代で「損害保険特級(工場)」資格試験に合格することができました。

40代で京都支店へ
 子どもたちが小学校に通うようになってからは学童保育を利用。17時まで働いてから迎えに行き、炊事、風呂、宿題のチェックなどを済ませ、夜に自分の時間を設けていました。正直平日はバタバタです。でも、今思えば子どもの手がかかる時期って案外早く過ぎ去るもので、気づけば中学に進学。そうなると、子どもたちも自分たちのコミュニティで楽しむようになるので、あまり手がかからなくなります。
ちょうどそのあたりから仕事の内容も変化し始めました。新しく入社した社員やパートスタッフの教育を任されるようになったのです。教えられる立場から教える立場に移ったことで責任感が増しました。
 40代になると、夫の京都転勤が決まり、私もついていくことにしました。ただ会社は辞めていません。当社は配偶者の転勤で引っ越すことになった場合、該当の社員は転勤先の支社に異動させてもらえます。そのため私はその制度を使って京都支店・法人1課に異動しました。子どもたちは転勤のタイミングでそれぞれ就職が決まったので、ついてくることはありませんでした。

仕事に確かな手応え
京都支店・法人1課では、販売イノベーションに取り組みました。三井住友海上は、総合職と一般職に大別されます。総合職は基本的に男性が就くことが多く、全国各地への転勤があり、仕事は渉外活動が主です。対する一般職は転居を伴う転勤がなく、仕事内容は内勤の事務で、女性が就くことが多かったです。そこで販売イノベーションでは、そのような旧態にメスを入れ、女性も事務仕事だけじゃなく、幅広い業務に携われるように体制を少しずつ変えました。私も外に出て当社の保険商品を販売してくださる代理店の方々と直接会って話をするようになりました。いつも電話で話している方との対面での会話は、とにかく熱が入り、仕事の楽しさがさらに増しました。
京都支店に2年勤務し、次は岐阜支店へ。代理店さんから提出される申込書の点検や申込書の計上業務を集中して担うチームに配属されました。そして、2年後に東濃支社に異動しました。
近年は、あらゆる産業分野でDXが叫ばれています。当社でもDXは進んでおり、私も東濃支社である取り組みを行ってみました。それはペーパーレス化です。業務上、支社には毎月事務センターから団体控除証明書と呼ばれる書類が送られていました。その仕分けに時間がかかり、郵送費もかさむことなどから、ペーパーレス化に踏み切ったのです。ただし、即座に紙を廃止するのではなく、時間をかけてゆっくりと代理店さんのペースに合わせて進めました。すると、「紙は不要です」と申し出てくださる代理店さんも現れ、結果的に25団体中24団体がペーパーレス化を導入し、経費・工数ともに削減が実現。後日、これがよいDX事例として社内に伝えられ、私としても確かな手応えを感じることができました。

仕事と介護を両立
2022年で入社30年。ひとつの大きな節目を迎えたわけですが、「よし、やりきった!」とはまだ思っていません。実現できるかどうかは別として、一度代理店さんの仕事を経験してみたいと思っています。代理店さんのリアルを知ることで、三井住友海上としてより代理店さんに寄り添った施策の立案と執行ができると思うからです。
 プライベートでは、愛知県豊橋市の実家に住んでいた両親を私たち夫婦の近くに呼び寄せ、妹と交代で介護をしています。コロナ禍になってから、リモートワークが確立されたので、自宅で仕事をする機会も増えました。幸い在宅勤務の日は就業前と就業後に両親の家に様子を見に行く時間が取りやすいので、仕事と介護の両立もうまくできていると感じています。これからも公私の充実を図りながら人生を謳歌したいです。