十六フィナンシャルグループが設立した、まちづくり新会社「カンダまちおこし」。十六銀行可児支店に勤務していた大東加奈さんは、同社への出向を希望し、現在はローカルクラウドファンディングサイト「OCOS」(おこす)の運営などを担っています。出向後も、同行の女性プロジェクトチーム「Jewelia」のメンバーとしての活動も継続中です。
地域に直結した仕事を
東京の大学に進学して、アメリカに留学もしました。留学は好きだった英語を学ぶことに加えて、ビジネスの勉強も目的のひとつでした。就職活動では、東京に残るとか、留学先のアメリカでするとか、いろいろな道を検討しました。
最終的には岐阜に戻って十六銀行を選んだのは、やっぱり地元岐阜が好き、家族が大事との思いが大きかったからです。父も母も金融関係でしたので、私にとって銀行が身近にあったことも理由の一端にあります。
入行後は約2年間の内部事務を経て、可児支店でFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の業務に就きました。仕事をしていくなか、もちろん銀行でも地域のために働くことはできるのですが、せっかく大好きな岐阜に戻ってきたのだから、違った形で地元に貢献できることはないか、と考えるようになりました。
そんな何かに挑戦したいと思う私を、支店長も応援してくださり、背中を押してもらったことで、弊行が立ち上げた「カンダまちおこし株式会社」への出向につながりました。地域に直結する、まちづくり事業にぜひ関わりたいと手を挙げ、幸いにも希望が叶い、2022年4月より新たな仕事に取り組んでいます。
地元の人の夢を応援
弊社では東海三県を対象に、観光マーケティング支援事業、ソーシャルインパクト投資事業、ふるさと納税支援事業、リノベーションまちづくり事業、多様な働きかた支援事業の5事業を展開しています。
そのなかで主として携わっているのが、ソーシャルインパクト投資事業です。地域に根差した新しいクラウドファンディングサイト「OCOS」を運営し、事業を応援してほしい方と応援したい方をつないでいます。地元の人たちの夢をどうやって形にして、どう応援していくかを考えていく、その実現のお手伝いができるのはとても魅力的な仕事で、やりがいにもなっています。
これまで私が担当したプロジェクトでは、23歳の女性が目指す「次世代アーティストが輝ける場所」づくりや、手すき和紙職人による「和紙にまみれる里山テーマパーク」構想があります。お二人とも、今まで関わったことのない分野の方で、教えてもらうことが多く、学ぶことばかりでした。現在、どちらも無事終了していますが、私を介してお二人に交流が生まれていて、仕事で関わった人たちがつながっていくのもうれしいです。
知識を吸収するために
まちづくりには、私が培ってきた銀行の知識だけでは到底足らず、幅広い知識がないことには始まりません。提案をしていくためにも、さまざまな知識をどんどん自分に入れていかなくてはと感じていて、目下の課題です。社長の勧めに従ったり、メディアコスモスが主催する編集講座に自ら通ったりと、勉強を怠らないよう心がけています。
地域にはいろいろなまちづくりコミュニティがありますので、できるだけ顔を出すなどして、人脈や知見を広げていくようにもしています。
現在は実家住まいで、両親と妹と犬がいます。趣味とは言えないですが、ゴルフやピラティスなどの運動をしたり、家族や友人と旅行に出かけたりすることが好きです。お酒も好きで、母も飲みますので、いっしょによく飲んでいます。どれほど嫌なこともがあっても話を聞いてくれる家族の存在は、私の大切な支えと言えます。
自分しかできないこと
他社へ出向していますが、十六銀行の女性による商品・サービス開発プロジェクトチーム「Jewelia」には、引き続き参加しています。Jeweliaも可児支店に勤務していたときに、支店長から勧めていただいたもので、支店が違っていると、まず出会うことのない人たちと関わりが持てるのは、とても刺激的でした。ざっくばらんに意見を交換し合ったり、企画を考えたりする楽しさを学んだ場所でもあります。
出向には期限があって、3年くらいが目安になるようです。ここにいる間、いろいろと挑戦させてもらっており、自分ならではの何かを、ひとつ身に付けることを目標にしています。器用貧乏なところがある反面、私にしかできないような技能を持っておらず、この3年間で見つけたいと心に決めています。
同時に、ローカルクラウドファンディング「OCOS」の認知度を高めることにも、力を注いでいきたいです。毎月ニュースレター「かんまちレポート」を発行していますし、noteも始めましたので、少しでも多くの方に知っていただければと思っています。


