岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

結婚を機に岐阜へ転居し教員から転職。
未経験の分野で未経験の職種からキャリアを再スタート。
法人内の課題と向き合い奮闘しながら、
自身のブラッシュアップも怠らない努力家。


和光会グループ(医療法人和光会/社会福祉法人和光会)  理事長室 室長 兼 SDGs推進室 室長
鈴木 未沙(すずき みさ)さん(羽島郡岐南町)

【2024年8月26日更新】

医療・介護・障がいから子育て支援まで幅広い分野で地域社会へ貢献する和光会グループ。その理事長室で室長として働く鈴木未沙さんは、結婚を機に教員を辞め愛知県から岐阜県へ転居してきました。それまで中学校の英語教員として全力で働いてきた鈴木さんですが、未経験の分野で未経験の業務をこなしながら法人について学び、資格を取得し、今では法人内で組織をマネジメントするポジションで活躍しています。

天職からの転職

愛知県で6年間公立小・中学校の教員をしていました。部活動の朝練のため朝6時に学校へ行き、夜は11時過ぎまで授業の準備、さらに家に帰ってからもうひと仕事、という日々でした。顧問をしていた部活が毎年全国大会に出場する強豪校だったので、土日も夏休みも全て練習でしたが、教員という仕事が大好きで天職だと思っていましたし、独身だったので自分の時間を全て使い、教員として働くことを楽しんでいました。その一方で、結婚したら家庭と両立しながらこの生活を継続するのは難しいと考える自分もいました。
 結婚して夫の地元である岐阜県に転居する際、教員として働き続けることも検討しましたが、独身時代のように生活のすべてを仕事に捧げることはできないと思いました。大学卒業と同時に教員としての道を歩み始めたので、学校以外の社会を知らない自分が、就職を望む生徒の進路指導が適切にできているのかという葛藤を抱いていたこともあり、一度教員を離れ、別の仕事をしてみるのも良い経験になるのでは、と考え転職することにしました。

働く意味の再確認

教員の経験しかなかったので、転職活動を始めるにあたり、社会人として必要なスキルを身につけるべく、ファイナンシャルプランナーと簿記の資格を取得しました。和光会グループの求人を知り、医療・介護を含め、幅広く地域貢献をしている事業内容に惹かれ、応募しました。面接で人事課長から、「和光会で何を目的に働きたいか」と問われたとき、私は「社会貢献がしたいです」と答えたことを覚えています。応募時には育成研修課または経理課を希望していましたが、私の経歴を見た上で、秘書の職を勧められ、挑戦したいと思いました。幸い経験がないにも関わらず、秘書として採用していただきました。

新たなキャリアのスタート
 
理事長の秘書として入職し、スケジュール調整といった秘書の基本業務はもちろん、部署間の異なる意見の調整や折衝など様々な業務を担当してきました。人とのコミュニケーションが好きだったこともあり苦にはなりませんでした。法人の歴史や医療・介護・福祉の基礎知識を理事長と常務理事から日々教えていただきましたが、専門用語が全く分からず、メモを家に持ち帰って勉強していました。組織の改編などもあり、現在は理事長室の室長として、秘書業務担当、広報業務担当、ライター業務担当の3人のスタッフと共に、100周年関連事業、各種プロジェクトの推進、法人の内外に向けて情報発信などに取り組んでいます。SDGs推進室の室長も兼務しているので、岐阜県のSDGsリーディングカンパニーの名にふさわしい活動や取り組みをさらに充実させたいと考えています。分野を問わず、様々な業務を経験させていただけていることに心から感謝していますし、現在の仕事にとてもやりがいを感じています。
法人が組織マネジメント論を導入した際には3か月の研修と認定試験を経て社内講師になるなど、教員の経験も生かすことができています。他にも、法人が認定こども園を運営していることから保育士資格を取得したり、新規事業をきっかけに知ったキャリアコンサルタントの資格を取得したりしました。今は経営と戦略について理解を深めるため、週末に経営大学院に通っています。資格自体は仕事で使っていなくても、得た知識は仕事でも役立っていると思いますし、学びの場は法人外の方とつながるきっかけにもなっているので、これからも好きなことをとことん学ぶ時間は大切にしたいと思っています。一方で、家族や友人と話したり、旅行に行ったりする時間が、私にとって本当に良い息抜きとモチベーションになっています。100歳までに100か国に行くことが私の夢の1つです。

学びにゴール無し
 
私はこれまで、本当に良い人たちに出会い、そのおかげで今があります。そのため、働く理由の根底には「人のため、社会のために」という思いがあり、それが教員という形になり、今は和光会グループで働くという形になったのだと思います。1,800名余りが働く和光会グループには、利用者さんや患者さんと直接触れ合う職員ばかりではなく、いわゆる裏方の職員も大勢います。昔読んだ本に「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」という言葉がありました。片隅のように目立たないところであっても、また、自分の努力が人から見られないとしても精一杯尽くすことの出来る人こそ国の宝という意味です。陽があたる仕事ばかりではなく、地道な作業、陰で支える仕事、それが出来る人たちが集まっているのが和光会グループだと思います。そんな組織のバックオフィス側で働く一人として法人に貢献していくには、まだ経験も能力も不足していると感じていますので、これからもスキルアップを続けていかなければいけないと思っています。
私の信念は「努力は必ず報われる」ではなく「報われるまで努力する」です。これからも興味を持ったこと、必要とされることに対してまっすぐに、努力と学びを続け、何事にも挑戦していきたいと思っています。