岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

頼めることは頼めば良い。
制度がなければ作れば良い。
家族も会社も巻き込んで、
子育てと仕事の両立に、
今日も邁進しています。


日本イベント企画株式会社 経営管理部管理課係長 プロジェクトマネージャー
金森 千穂(かなもり ちほ)さん(安八町)

【2024年8月30日更新】

地域の特徴や地場産業、観光資源を活かした地域活性化や、少子高齢化や防災など地域が抱える課題の解決など、様々な事業に取り組む日本イベント企画株式会社。3児の母である金森千穂さんは、家族の協力や会社の理解を得ながら仕事と育児を両立させてきました。経営管理と飲食物販の兼務をこなしながら、間もなく4人目の出産を迎えます。

育休から職場復帰へ

高校を卒業してサンメッセ株式会社に事務受付として入社しました。働き始めて半年ほど経ったころ職場の人間関係で悩むようになり、会社に相談してみました。そのとき子会社の日本イベント企画で事務の女性が結婚退社することになり、後任がいなかったこともあって異動のお話しを頂きました。迷いつつもその話を受け、サンメッセからの出向社員という形で勤務を始めました。2010年に結婚して間もなく子どもができましたが、職場の環境が良かったので復帰を希望して育児休業を取得。ところが復帰の直前に2人目の妊娠がわかり、再度育児休業を取得することになりました。1人目の育休が終わって一旦復帰し、7か月ほど勤務したあと再び育休に入りました。

キャリアチェンジ

2度目の育休から復帰した後、2017年に飲食物販事業が新規に立ち上げられました。管理課の仕事として店舗運営に必要な備品の手配、例えばレジの機種選定などをしているうちに正式に新規事業を担当してみないかと打診を受け、飲食業にも興味があったので引き受けることにしました。それからは従来からの業務に加え、上司の指導を受けながら未経験の業務にも取り組む日々が始まりました。バイヤーとして東京の展示会へ商品の仕入れに行ったり、スタッフの採用から配置、繁忙期や閑散期のシフト調整、メニューの考案や材料の発注など、お店の運用に関する様々な業務を経験しました。
可児市の岐阜ワールドローズガーデンに2店、美濃加茂市の清流里山公園に2店の計4店舗とキッチンカーを運営しております。お店の立ち上げ時は現場に通い、スタッフの人柄や技能を観察して配置や担当を考えました。お店が軌道に乗ってスタッフとの信頼関係が構築された後は、お店に行くのは月に一回程度で、普段はLINEなどのコミュニケーションツールを使っています。スタッフに何か困りごとが起きたときはすぐに相談してくれるので、問題が大きくなる前に対応ができます。もちろん、お客様からのクレームも即日報告をくれるので、上司や会社に相談すべき内容だった場合もすぐに報告ができ助かっています。

育休明けの働き方改革

数年が過ぎ3人目ができたときも育休取得を考えましたが、2人目までのときと自分の業務が質・量ともに大きく変わっていました。以前は出産後も休みを頂いてから復帰しましたが、今回は自分が抜けたままでは仕事に支障が出ることが明らかでしたので、子連れ出勤を認めてもらえないか会社側に相談してみました。会社には育児休業の制度はありましたが子連れで勤務するための制度も設備も無く、それらを整えてからスタートという時間的余裕も無かったため、産まれたばかりの赤ちゃんを会社に連れてきたら何が必要か、他の皆はどう対応すればよいか、何もかも手探りで動き始めました。会社もよく認めてくれたと思います。少人数で風通しが良く身軽な会社だからこそ出来たことだと思います。さらに新型コロナの流行と時期が重なり、会社が一人一人にPCを支給して在宅勤務が始まったこともあり、テレワークと子連れ出勤の併用で上手く仕事を回すことが出来ました。会社の同僚も店舗のスタッフも子どもを受け入れて下さり、みんな本当に優しい人たちだと感謝しています。この取り組みについては大垣市の「テレワーク導入セミナーにおける事例紹介」で発表する機会があり、会社として「男と女のかがやきまちづくり」表彰を受賞しました。

為せば成る

経営管理と飲食物販を兼務しているので仕事は大変ですが、主人や実家の両親も一緒に家事・育児に関わってくれるのでとても助かっています。会社も「もしこんな制度があったら」「こんな希望を聞いてくれたら」という私の悩みに応えて下さるおかげで、今でも仕事を続けられていると思います。平日は仕事に集中して、休日は子どもが最優先。イベントやお店の繁忙期で土日が休めないときもありますが、どうしても行きたい学校行事などは何とか調整して参加するようにしています。今お腹にいる4人目の子も臨月を迎えるので、間もなく4回目の産休に入ります。産まれて落ち着いたら家族全員で旅行に行きたいと思っていますし、私のスタッフたちが仕事もプライベートも充実した毎日が送れるような組織づくりも考えないといけません。壁にぶつかっても何とかしようと動かないと先には進めません。私の好きな言葉「ピンチはチャンス」のとおり、困難を転機に替えて歩み続けます。