岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

3人の子どもを育てる女性管理職
経営方針の検討や
会社の理念や魅力を内外に発信する広報として活躍中


中部事務機株式会社 経営企画室 室長 / 管理部広報ブランディング室室長
佐藤 理佳子(さとう りかこ)さん(岐阜市)

【2024年9月 2日更新】

「はたらくを、かえる。未来が、かわる。」をキーワードに、働く環境の改善を通して企業の発展を支える事業を行う中部事務機株式会社。経営企画室・管理部広報ブランディング室で室長を務める佐藤理佳子さんは、営業の同行支援からキャリアを積み上げ今では女性管理職として活躍している。3人のお子さんを育てながら働き続ける姿は、女性社員のロールモデルとして若手の手本であり目標となっている。

仕事と生活

 大学・大学院では、都内の大学で国語教育を専攻してきました。国語教科書の作成に携わりたくて、教科書出版社でアルバイトもしていましたが、私が就職する年は教科書出版社では残念ながら採用予定がありませんでした。そこで文部科学省や学校、大学機関へのコンサルティングが出来ないかと考え、国内での実績があったコンサルティング会社に入社しました。プロジェクト配属の関係で教育機関に携わることは出来ませんでしたが、中央省庁のIT化を進めるコンサルタント業務を担当しました。当時のIT系コンサルティング業界は非常に激務で、朝方まで働いてタクシーで帰宅、土日も出勤ということも多く、やりがいはありましたがワーク・ライフ・バランスには問題がある状態でした。
コンサルタントとしてキャリアを積む中で、社内で出会った男性と結婚、そのタイミングで今後について2人で話し合いをしました。社内でロールモデルとなる女性コンサルタントは、マンションを2室購入して片方に実家の両親を呼び寄せ、子育ては両親に任せて仕事を続ける女性社員や、コンサルタントから離れてバックオフィスに異動する、という女性社員ばかりで、結婚・子育てとキャリアの両立が見えない状況でした。給与は高いが仕事は激務という会社とそれが許容されている時代でしたが、それでは人間らしい生活が出来ないと考え、東海地方のお客様のプロジェクトに夫が参画するタイミングで退職。妊娠したこともあり地元である岐阜に転居する事になりました。夫は愛知県出身だった事もあり、岐阜への転居は抵抗なく受け入れてもらえました。

再び社会へ出る

夫は転居後、平日は東海地方の官公庁でコンサルティングをしながら、土日は学生時代からの夢だった経営学修士(MBA)と中小企業診断士を目指して大学院へ通いました。仕事でお客様との繋がりも広がり、またMBAで築いた新しい人脈から副業も始めるなど、夫はどんどん世界が広がっていきましたが、私は2人目も生まれて毎日ほぼワンオペで育児に追われていて、自分1人が家庭に置き去りになっているような閉塞感を抱いていました。もう一度、働こうと思うようになり転職エージェントにも登録しましたが、前職の経歴から紹介される先は都市部の大手企業が多く、まだ子供が幼かったこともあり、名古屋でフルタイム、というイメージを持てずに悩んでいました。そんな時、転職サイトでこの会社の求人を見つけ、IT関連業務もあるようなので前職の経験も活かせると思い応募し入社、営業の案件支援担当として働き始めました。前職の経験を活かし、営業に同行してヒアリングを行いシステム導入のご提案や要件定義の実施、補助金の事業計画書の作成支援、イベントなどの企画などを行っていました。やがて3人目を生んで8か月の育休後に復職、その後も同じ業務を続けましたが2年前に管理部の広報ブランディング室へ異動しました。

社内の風土改革

異動後はブランディングに専念して「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」の認定を受けた他、会社のロゴマーク変更とそれに伴うバス広告、クールビズと対外アピールを兼ねたロゴ入りポロシャツの制作と着用などを考案し実施してきました。
また、社内の風土改革を検討するチームのメンバーと一緒に自分が大切にしているものは何かをお互いに語り合う価値観共有のワークショップや、ロールモデルとなるような社員はどのように働きキャリアを積み上げてきたかを考え自身のキャリア形成に繋げてもらうイベントなどを通じて、学びの定着を図ると同時に学んだ事を共有する場を設ける事が出来ないかも検討してきました。
他には社員同士の交流を促し社内環境を良くする運動として「ProjectC」と名付けたあいさつ運動や、感謝したい相手にありがとうの言葉を贈る「ProjectB」も実施しています。

本当のロールモデルとは

 仕事も家庭も出来るだけ効率的に無駄を省いて行動したいと思っています。自分の通勤時間はもちろん、子どもの習い事も子どもが自分で通える範囲で選び、料理も土日に作り置きするなど、時短の積み上げに気を付けています。残業は1時間ほどの会社なので仕事と家庭の両立に影響する事はなく、子育て環境にある社員も活躍できる魅力的な会社です。何かを犠牲にして成果を得るのではなく、バランスの取れた生活を送りながら結果を出していく、そんなロールモデルになれるよう毎日を送りたいと思っています。