岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

グループ初の女性管理職として
課長、次長、部長、取締役と
常に女性活躍の牽引役を担い
労働環境改善にも取り組みます。


日本イベント企画株式会社 取締役 常務執行委員
矢野 純子(やの じゅんこ)さん(神戸町)

【2024年9月 3日更新】

地域活性化を目的とするイベント等の事業を主な業務とする日本イベント企画株式会社で取締役として活躍する矢野純子さん。これまでに観光事業や飲食物販事業から結婚支援サービスまで常に新たな事業の開拓に取り組み、成果を上げてきました。取締役となり、営業部だけでなく管理部門も統括することとなり、働きやすい職場づくりにも積極的に取り組んでいます。

続けられたのは家族のおかげ
 
高校生の頃は旅行関係の仕事に就きたいと考えていました。色々な所に行けて楽しそうだと思ったのが理由です。初めての就職先は空港のグランドスタッフで、東京で寮生活をしながら1年間働いたのち岐阜に戻ってきました。帰郷後は旅行会社に入って企画や添乗の仕事をしていましたが、ぎふ中部未来博覧会が開催された際に「岐阜で博覧会なんてもう二度と無いんじゃないか」と思いコンパニオンに応募しました。そのとき始めてイベント業という仕事に出会い、博覧会の裏側で多くの代理店がパビリオン等の運営に携わっている現場を見ることができました。博覧会が終わり再び旅行業界に戻りましたが、立ち上がったばかりの日本イベント企画株式会社の社員募集を見たとき、直ぐに応募しました。念願かなって入社した頃はバブルが弾ける寸前で、TVからは「24時間働けますか?」と栄養ドリンクのCMが流れていました。そんな時代のイベント業界は長時間労働が当たり前で、朝6時に車で高速道路を使って出社し、深夜0時になってもクライアントから電話が入り、午前2時を過ぎた頃にやっと退社できる、その頃の働き方はそんな感じでした。この会社に入ってから結婚して子どもも授かりましたが、こんな働き方でもやってこられたのは夫や義母の支えがあったからこそです。

働き方を見直す取り組み

今では女性社員が赤ちゃんを連れて出勤したり、男性社員が早退してお子さんを迎えに行くのは、当社では普通の光景になりましたが、以前なら考えられなかったことです。働き方改革と言われ始めた頃も、業務の性格からこの会社での改革は進まず、制度があっても十分に活用されていたとは言い難い状況でした。そこで、社員からの声や要望を聞きながら独自の制度を採り上げ、ここ5~6年の間に大きな変化を遂げ「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」に認定いただくまでになりました。赤ちゃんと一緒に出勤して働きながら面倒を見たり、仕事中に迎えに行った子どもと一緒に職場へ戻り再び仕事を続けたり、それぞれの仕事のペースに合わせた働き方ができるフレックスタイム制を導入し残業問題にも取り組むなど、ワーク・ライフ・バランスを柔軟な発想と解決方法で実行しています。自由で柔軟な環境の中で働くことは、社員のパフォーマンス向上に繋がると思っています。会社にとって社員に最高のパフォーマンスを発揮してもらうことは最も重要なことです。その点からも制度を整えるのは大切なことですし、その取り組みは今のところ上手く進んでいると思いますが、小さな会社なので制度の利用者を支える人数が少なく、負担の分配や軽減が今後の課題だと考えています。

新しい分野を切り開く

これまで弊社は受託事業が中心でしたが、飲食物販部門を自社の事業部として立ち上げ、県営都市公園内で4店舗を運営しています。そこでは単に飲食や物販を行うのではなく、県産品を活用した商品の開発や販売、流通にも繋げていくほか、公園の魅力づくりに貢献することを目的としています。
また昨今、地方自治体が力を入れている婚活事業にも取り組んでいます。岐阜県の結婚支援事業のセンターとなる「岐阜マリッジセンター」の運営を受託し、お見合いなど婚活イベントの開催やボランティア(婚活サポーター)組織の運営を担っています。そのノウハウを活用し、自社においても独自の結婚支援サービスを展開し、地域の少子化対策に貢献できないかと考えています。
他にはイベント業務のⅮX化にも取り組んでおり、既に実績も積み上げています。イベントは事前の参加受付や出店調整にはじまり、会場や駐車場の案内、誘導、料金徴収、アンケートの依頼と回収そして集計など、多くの人手を必要とするアナログな部分が残っています。そのことが業界の多忙を招く一因でもあり、且つ人に頼ることによるリスクの発生原因にもなっています。その課題をITを使ったシステムで解決できないかと考え、ソフトピアジャパンのITベンチャーとコンソーシアムを組んで開発に取り組み、実証実験を経て実際のイベントで運用を行っています。あるイベントでは参加申し込みから駐車場予約まで全てネットによる事前予約制とすることで、それまで問題となっていた会場周辺の交通渋滞を解消できたほか、運営を省力化したことでイベント内に新企画を盛り込むこともできました。アンケートだけに頼らない新たな効果測定や数値化したデータの蓄積も可能となり、イベント業界もⅮXによって更なる活性化が可能になると手ごたえを感じています。

新たな気持ちで学び続ける

私は「日日新たなり」という言葉が好きです。日々いろいろなことが起きますが、明日はまた新しい日がやってくる、毎日を新しい心で迎え日々精進する、そんな意味に捉えています。新しい制度を作る、システム開発に取り組む、そして自分自身も新しい明日を新しい気持ちで迎え、日々歩んでいくことを心掛けています。