学校に足が向かない子どもたちと、その様子に心を痛める家族の方々。自身も同じ経験を持
つ坂井田貴子さんは、不登校の子どもたちやその家族をサポートする「I'm(アイム)」の代表を務めています。子どもたちや家族の方々が、仲間と呼べる人たちと一緒に過ごし、心を開いて話ができる、そんな「居場所」に自分たちがなれたらと願い、活動を続けています。
まず自分を取り戻すことから
私たちの活動は"お子様の不登校・心の不具合や、ちょっとした生きづらさを抱える方々をサポートするコミュニティの運営"です。岐阜東青少年会館で毎週木曜日に「i(アイ)プレイス」という名称の"こどもの居場所"を開いていて、不登校の子や学校に馴染めない子たちが集まって、心の内を話したり自分の好きなことを見つけたりしています。
立ち上げた当初は、不登校で遅れた学習のサポートや、学校では聞きづらい学習のつまずきの相談などの学習支援がメインになると思っていました。ところが実際に始めてみると「本当はこんな事がやってみたい」という気持ちを話してくれて、それを私たちが応援するという事のほうが多かったのです。子どもたちも学校へ行っていないという罪悪感があり、やりたい事があっても親に言えないし家ではできないけれど、ここには自分と似た子がいるという安心感からか、例えば絵を描くという共通の話題で通じ合い、作品を持ち寄ったり創作活動に繋がったりするのです。
学習支援を目的に始めた場でしたが、先ず自分を周りに理解してもらい自分の居場所を確立した後で学習に入るという、学習に至るまでに心のケアや自信を取り戻す事が先だと初めて理解しました。
やりたいとやるべきの整理
自分の好きな事だけをやりに来て短時間で帰る子、好きな事や勉強をして一日中いる子など色々な子がいますが、不登校の期間を自分は何がしたいのか何が出来るのか考える、自分と向き合う時間に充ててくれたらいいなと思っています。
子どもたちの中には、社会に出てからの事をイメージする子も多いので、自分たちでアクセサリーを作ってマルシェで販売するという就労支援のような活動もしています。販売を通して、自分が好きなだけでなく人が喜んでくれるものを作ることが出来るようになると、自分に足りないものは何か考えるようになり、技能や資格のために進学が必要だと自ら勉強を始める子も出てきます。
私は"やるべき事"と"やりたい事"を2つに分けて考えようと子どもたちに言っています。学生にとってやるべき事は、学校に行って勉強や体力づくりをすること。でも情報社会の中で生まれ育った今の子たちは、早くから夢があり、その憧れの対象が学校ではない位置にある子も多くいます。それでも現実にはやらなければならない事があるので、現実と思いがごっちゃになりどうすれば良いか分からなくなる。そこで、やりたい事をするためには今何をやるべきなのかという逆算をする。そして、やるべき事とやりたい事を時間や日にちなどで分けて実行し、セットで楽しもうと伝えています。
各自のペースでこの居場所を使ってもらっていますが、将来なりたい夢に必要な勉強が本人に分かったとき適切なサポートをしてあげられる、子どもたちが必要とするタイミングでそばに居られる団体でいたいと思っています。
求められる知識や情報
最初は自分が子どもの不登校で悩んでいて、話し相手が欲しくて始めた"不登校のお母さんの会"のような集まりが段々と大きくなり、一緒に来たお子さんたちのフリースクールのようになってきたのが立ち上げのきっかけでした。
不登校のお子さんを理解できなくて苦しんでいるご家族は、お子さんのことを心配して少しでも多くの知識や情報を吸収し持ち帰ろうとされますので、出来るだけ多くの資料や情報を用意しています。また、不登校や引きこもりの段階ごとの具体的な対応や、通信制高校についての説明、お子さんに合った学校選びの相談なども行っています。
親も子も歩き続ける
私の子も今は通信制高校に通い、私の活動を手伝いながら、卒業資格を取るために頑張っています。私自身はI'mを"学習支援でも就労支援でもない、生きる力=楽しむ力を養える居場所"でありたいと活動を続けています。





























