障害児通所支援事業や相談事業を運営する「大垣市立ひまわり学園」。園長を務める宇野亜弓さんは、短期大学卒業後、社会福祉法人大垣市社会福祉事業団に入職し、ひまわり学園で長年療育に携わってきました。それぞれ異なる発達や障がい特性に応じ、一人ひとりの子どもに携わるほか、人材育成にも力を注いでいます。
保育士の祖母・母をみて育つ
出身は安八郡神戸町。祖母も母も保育士という家庭に育ち、母が楽しそうに仕事をする姿を見て、もともとは保育士を志していました。地元の高校卒業後は、県外の短大へ進学。保育士資格を取得し地元での就職を志していましたが、あいにく地元での採用枠はありませんでした。隣の大垣市での応募も検討したのですが、母が大垣市で保育士として勤めていたため、「一緒に働くのは...」と選択肢を広げることにしました。人と関わる仕事をしたいと、障害者支援施設「柿の木荘」などを運営する大垣市社会福祉事業団に応募し、採用。幼児療育・発達支援のための施設「ひまわり学園」に配属されました。
療育を学ぶため、切磋琢磨
療育の知識が乏しい自分に、さまざまなことを教えてくださったのは、当時の上司である中野たみ子先生(現・NPOひまわりの花理事長)です。園に通うお子さんは、一人ひとり、障がいや発達の特性が異なります。年齢が同じだからといって同じように接するのではなく、個々をちゃんと見つめることが大切だと痛感。一人一人を深く知るためには膨大な知識が必要です。障がい児教育には、障害の理解、発達支援、教育技法、家族支援、社会制度など、幅広い分野の知識が求められます。岐阜大学へ内地留学に出向いたり、本も読んだりしました。
職員育成に力を注いだ中野先生は、さまざまな研修会や研究会を園内研修として数多く行ってくださいました。日々の実践の中では、療育者としての心構えや技法、保護者支援など、基礎から厳しく愛情持って教えていただきました。今思えば大変でしたし、「よくやったな」と自分でも思います。切磋琢磨できる同期の存在があったので乗り越えられました。
初めてだらけの相談員時代
入職して今年で33年。心に残っている出来事は、平成27年に相談支援事業を新たに立ち上げたときのことです。相談支援の充実などが盛り込まれた障害者自立支援法等が改正されたのを機に、立ち上げのメンバーとして私1人が選ばれました。相談支援専門員として利用者さんからお話を聞き、利用計画などを作成していく業務は、自身にとって新しい分野で楽しくもあったのですが、一人では抱えられなくなってしまうほど件数や困難事例を抱えた時期もありました。そんなとき周囲の仲間に声をかけてもらった「焦らずゆっくり、自分らしく」という言葉に救われました。私の座右の銘にもなっています。
相談員の経験は大変でしたが、大きな学びの機会ともなりました。成人以降に受けられる自立訓練や就労継続支援、生活介護などのサービスを提供するたくさんの方と知り合い、横のつながりができたことで、サービスの現状を深く知ることもできました。ひまわり学園を利用する保護者の方に、成人したら受けられるサービスを説明できたり、未来を見据えたアドバイスできたりするようになったのも良かったと感じます。保護者の方たちは、「言葉がなかなか出てこない」など、お子さんの現状に目を向けがちですが、「ご飯を一人で食べられる」「一人で着替えができる」など、将来を見据えて、生活面の自立を育んでいくことも大切。子どもができないからといってすべてを助けてあげるのではなく、本人と保護者の間で愛着関係を育みながら、自分でできる力を身につけられるように習慣づけていくことをアドバイスできるようになりました。
相談員は約7年担当。その後、発達支援や保育園の巡回指導に携わり、令和6年、ひまわり学園が移転改築したのと同時期に園長に就任しました。
美しい花々が日々の癒し
忙しくて心身が疲れ果てていた相談員時代、「自分の時間や、没頭できる趣味を持つといいよ」とアドバイスを受け、始めたのが「ガーデニング」です。プランター栽培から始め、今では畑の一部を使って地植えするまでになりました。冬はパンジー、夏はペチュニアと季節ごとの花々を育てていますが、一番好きなのは宿根草。宿根草と一口で言っても種類が豊富で、花の色や葉の形もそれぞれ異なり、とにかく集めたくなってしまいます。花がたくさん咲く姿がまず癒されますし、花に蝶が寄ってくる光景も素敵だと感じます。花が咲く季節になると、近所の方が覗きに来るようにもなりました。
今後は、YouTubeで知った宿根草で有名なガーデニングショップや花のテーマパークなどを訪れてみたいです。





























