岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

忙しい日々を彩る一品を届けたい
地元で愛される味を生み出す毎日
「元気が出るごはんだね」という
声を励みに、安心できるお料理を
作ることを使命に感じています


おうちDELI~今の食欲は未来への準備~ 代表
仲井 由梨(なかい ゆり)さん(羽島市)

【2025年10月10日更新】

仲井由梨さんは、アパレル業界で活躍後、食育の勉強を重ね、季節の食材と丁寧な手作りの惣菜やお弁当を提供するテイクアウトのお店「おうちDELI」を開業。 素材にこだわりながらも家庭の温かさを感じさせるデリを届けたいと日々メニュー作りに試行錯誤しています。その心は安心で安全な料理への情熱と地域への深い愛情にあふれています。

ファッションから食へ
子どものころからファッションが大好きで、服飾のお仕事をするのが夢でした。専門学校卒業後、念願かなってアパレルの会社に就職。そこで企画として働いていましたが、ちょうど結婚した時期、ファストファッションが誕生しました。服飾業界も大きく変わり、ものづくりも以前のように出来なくなってきたと考えていた折に子どもを授かりました。あらためて、これから自分は何を大事にして生きていくか、子育てするにあたってまず何が一番重要かというところにキーを置いたら、やっぱり大切なのは「食べること」だと思い至りました。
それまでお酒もタバコも大好きで、好きなものを好きなだけ食べても体を壊すことなく過ごしてきましたが、それは母が丈夫に産んでくれたおかげ。これから生まれてくる子どものためには、母である自分が健康でなければならない。そして、育っていく子どもたちにとって食事を適当にはできないと思い、アパレルから身を引き食育の勉強を開始。食育に関する活動をしているNPO団体に所属しながら、10年ほど学びました。そのとき出会ったNPOの代表は、ファッション一筋だった自分の人生に、新しいレールをひいてくれた方だと言っても過言ではありません。
勉強を始めるまで、何も気にかけておらず目からうろこだったのですが、食べたもので人の体は作られるということにすごく衝撃を受けました。それから、子どものうちから食に対して意識を持ってほしくて、小学生の子供たちを対象に、1年を通して食育や食文化を教える講師を始めました。
講演活動をするうち、どこで何を食べたらいいのか、ご飯は家で作ることもできるけれど、ママさんだって時には楽もしたいのでは。でも外食は添加物いっぱいだったり、野菜も産地がわからなかったりします。アレルギーやアトピーの方もたくさん周りにいる中で、みんな体にいいものを食べて長生きしてほしい、子どもたちは健やかに育ってほしいという想いが生まれました。食育講義をしているだけでは事足りなくなり、みんなに安心して食べてもらえるお惣菜を提供するお店をひらく決心をしました。もともと料理が大好きだったので、普段作っていた家庭料理のレシピをアレンジして考えながら、飲食店で修業をして、開店に至りました。

店はひとりで切り盛り
現在、お店は週に2回の営業です。不慣れなお店で食べるより、おうちでリラックスして家族でだんらんしながらの食事が心にも体にもよい作用を促すことをふまえ、あえてテイクアウトのみでイートインは設けていません。営業日以外の平日は予約のみでお弁当の製造販売、週末は県内各地のマルシェに出店しています。ひとりで全部を速やかに進めるために、数日前から仕込みを始め、当日しか出来ないものは朝5時くらいから作り始めます。材料の仕入れもすべて自身で行っており、1週間通して忙しく、ほとんどお休みはありません。隣にある自宅と店を行ったり来たりしながら、日によっては22時過ぎまで仕込みをすることもありますが、好きでやっているからこそ「苦」があってはならないと思っています。
お客さんは常連さんや近場の方がほとんど。ひとりで出来る量は限られていますから、そこの人数を増やすより、全国の方にも添加物の入らない野菜たっぷりの料理を召し上がっていただきたくて、大きなエリアに目を向けています。その目標達成のひとつとして岐阜県からの補助金で真空機を購入。ネット販売する準備を進めています。

家族やお客様に感謝
食育を学ぶ中で、中医薬膳師の資格を取得しました。中医学・薬膳学は旬の食べ物で体を養生するという考え方がベースになっています。おのずとその時期手に入るものがいちばん良い食材になるので、季節の移ろいを感じられるよう旬の食材を取り入れています。そのためメニューも毎週変えており、それを楽しみに通ってくれるご近所の方や、毎回マルシェにご来店くださるお客様もいらっしゃいます。年上のお客様から教えていただく知識や、逆に年下世代とのコミュニケーションなども楽しいですし、情報交換や時には悩み相談で盛り上がることもあります。それぞれの家庭でちゃんと食事をとってもらうのが目標なので、店のメニューの作り方が知りたいというお客様にはレシピもお渡ししています。お店を始めてからというもの、そうやって人とのご縁と関わりをいただくことに喜びを感じています。
家族は夫と3人の娘の5人家族。末っ子は小学生で、まだまだ一緒にいる時間も大切にしたいと思っている中、夫が仕事にとても協力的で理解もあり、子育ても助けてくれています。結婚当初はアパレルでバリバリと働いていて料理もあまり出来ていなかったので、ずいぶん変わったねとは言っていますが、夫のおかげでこうして好きな仕事ができて、とても感謝しています。
料理は仕事でもあり趣味でもありますが、外出も大好きなのでライブや本格的なキャンプなど、気分転換の時間も捻出するようにしていて、息抜きに大好きな晩酌もします。昔はさまざまな悩みもありましたが、40代になって、自分に自信がついたのかもしれません。ストレスは溜まらないほうだと思います。

体にいい料理を世界へ
家族のためにというのはもちろんですが、地域のみなさんにも毎日の食事を安心して美味しく召し上がっていただきたいという願いは常に抱いていて、私が料理をする使命のように感じています。世界中の人に日本食の素晴らしさを伝え、安全でおいしい食事を届けたいから、ネット販売を成功させるのが夢。英語の得意な長女に協力してもらいホームページを充実させたいし、国内の販路も広げていきたいです。
「食べたもので人の体は作られる」「食べることは生きること」が私のベースにあります。屋号の「おうちDELI」のサブタイトルが「今の食欲は未来への準備」なんですが、未来を見据えて今日何を食べるか、日々の生活に寄り添う「食」の大切さをこれからも訴えていきたいです。そして死ぬまで楽しくお料理をして、みなさんに健康で安全なお惣菜を提供していけたらいいなと考えています。