岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

音楽が大好きで始めたDJ
結婚を機にナイトシーンから
昼間の活動にシフトチェンジ
DJ、起業家、主婦として
大垣を盛り上げます!


ぎふ女性リーダーズサロン「エクラプラス」 DJ業 音の空間デザイン「エクラプラス」企画リーダー
髙田 阿亜子(たかだ ああこ)さん(大垣市)

【2025年10月15日更新】

髙田阿亜子さんは、看護師をしながら岐阜県内外にてDJとして10年以上活動。結婚・出産後も子育てをしながら、大垣市と協働し、市主催の地域活性化を目的としたイベントでDJを行うなど精力的に活動しています。ぎふ女性リーダーズサロン「エクラプラス」の企画リーダーを務め、音楽で空間を演出するというDJにしかできない方法で、広い世代に大垣の魅力を伝え地域を盛り上げています。

やりたいこと発見
自分がやりたいことやなりたい職業、趣味も特になくて、もやもやしながら高校卒業を迎えました。何も目標がないのに進学するのも嫌で、母の勧めでとりあえず医療事務で働き始めました。医療現場に入ってみて、「事務員だとここまでしか出来ない」という仕事内容にジレンマが生まれ、そこでようやく看護師になりたいという目標が出来、勉強して看護師になりました。
同時に、とにかく夢中に取り組める何かを見つけたいという気持ちがさらに強くなりました。そんなとき突然「DJをやってみたい」と思い付いたのです。それまで、DJがいるような場所へ遊びに行ったことも数えるほどしかなかったのですが、「やっぱりかっこいい、自分もなりたい」と再認識。軽いノリでしたが、決心したらワクワクしてきて、両親にやりたいことを見つけたと話したら、音楽好きな両親は大賛成。すぐ機材を揃え、練習の毎日が始まりました。
その後たまたま友だちと遊びに行ったクラブで仲良くなったDJさんがとてもいい人で、DJを目指していると話したら必要なものなどいろいろ教えてくださって、そこからご縁が広がり、とんとん拍子でDJデビューが決まりました。自らやってみようと決めた看護師の仕事に加え、好きなことが見つかった喜びで、本当に人生が変わりました。

看護師もDJも全力
DJを始めた私の影響で、ディスコ世代だった母と、70年代のディスコミュージックがかかるサウンドバーへ一緒に遊びに行くようになりました。私は初めは古い音楽にはまったく興味がなかったのですが、聴いていると心地良く体が喜んでいる感覚になり、どんどん古い音楽が大好きになって、もっと追求したいと思うように。そこでお声がけいただき、毎週金曜日のレギュラーにしていただくことになり、ご縁に感謝しかなかったです。そのバーで今の師匠と出会い、私のDJとしての感覚が変わりました。師匠は60代ですが喫茶店を経営しながらも現役のDJとして活動しています。私の生まれる前の大好きな音楽の時代をリアルに生きてきて、音楽を奏でているのはDJでも、お客様ファーストであることがプレイで伝わってきて、すべてがかっこよく、今でも背中を追いかける存在です。
平日は岐阜で看護師として働きながら、金曜日の夜から週末は名古屋で毎週DJとして活動する生活を10年以上、結婚まで続けました。休むのは日曜日の半日くらい。イベントに呼ばれ、東京や大阪、九州なども泊まりで行かせてもらいました。若かったし、DJの先輩たちから刺激も受けて、音楽があれば毎日が楽しかったから続けられたのだと思います。

結婚による変化
現在は夫と2人の子どもの4人家族。夫はまったく違う業界で仕事をしていて、お付き合いしていたころはDJ活動も乗り気ではありませんでしたが、デビューも見に来てくれて、今は一番応援してくれています。両親も本当のところ、やりたいことを止めたくないけれど、夜の仕事は危ないのでは、という葛藤があったと思います。それでも折に触れ活動についてのアドバイスをくれるなど、理解ある家族に囲まれていると感じています。
結婚したとき、DJをやめたくなくても、ライフスタイルも変わるしもう出来なくなるだろうと思っていましたが、母の「DJの場所を変えればいいだけ。時間だって昼間にすればいい」という言葉に、DJが出来る場はクラブだけではないと気づかされ、考えを改めました。大垣の町中でキッチンカーを見かけると「DJをやりたいのですが音楽は必要ではありませんか?」と直談判して、まずは地元を知り人とつながるところからスタート。ひとりで営業をしていくうち、イベントにDJで入ってほしいとだんだん誘っていただけるようになりました。イベント運営のしくみを学ぶ機会も増えてきて、イベントを企画開催し、音楽で大垣を盛り上げたいと思うようになりました。
音楽をDJが選曲し、流し、来ているお客さんが盛り上がってくれて、本当に楽しかったと感じて帰ってもらえるような空間づくりが出来るのがDJの強み。その日にしか出来ない空気感が毎回生まれることが喜びであり魅力です。時間や天候、客層を見てかける音楽を変えていき、お客様の様子をこっそり観察しながら、自然に体が動いてくれていることが正解なのかなと構成を考えています。DJの流す音楽にのる心地よさ、気持ちよさを体感してくれる人をもっと増やしたいです。

起業して地元に恩返し
私の子どもを預けている保育園のオーナーが、岐阜県内の女性経営者や起業を目指す女性が集まるサロン「エクラプラス」という団体を立ち上げていて、そのつながりで、大垣でDJ活動をしていく相談にのっていただいているうち、エクラプラスの活動も始めました。起業を目指す女性たちと関わるうち、自分も起業したいと思うように。そして2024年9月に個人事業主として、もっと幅広くDJの可能性を広げられたらと思い、会社を立ち上げました。DJの派遣や、定期的な音楽イベントの開催と、DJの育成、特にキッズDJが展開できたらと思っています。今関わっているイベントも家族連れの来場が多く、子どもたちはDJブースに寄ってきて興味を示してくれます。次世代に古き良き時代の音楽を継承したい、そのために子どもたちにDJを教えながら音楽も伝えていきたいです。
夢は、例えば大垣駅前の大通りで、いろいろなジャンルのDJブースが並んでいるような大きな音楽イベントの開催。大垣の名物になれるイベントにできたらいいなと思います。DISCO復活イベントというアイディアもあります。親子3世代で楽しめるのはDISCOの強みですし、自分が全国でのDISCOイベントを経験してきたからこそ実現したいという目標です。大垣を、若い子たちがつまらないと出て行ってしまう街ではなく、楽しいと感じてくれる催しがある面白い場所にしたいです。
私を応援してくれる姉のような人が、誕生日に「報恩謝徳」という言葉を贈ってくれました。自分一人の力では何も出来ないけれど、出会った人のおかげで今の活動につながったことに感謝し、恩返しの気持ちを忘れず大切にしながら、夢を夢に終わらせず叶えられるよう、コツコツ積み重ねていこうと思います。これからも音楽で沢山の方に特別な体験をお届けできたら幸せです。