岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

溢れんばかりの地元愛と
壁をも楽しむ前向きな性格で
新しい道を切り開きながら
地元を活気づけたいと取り組んでいます


長尾建設株式会社 取締役
長尾 麻里(ながお まり)さん(七宗町)

【2025年10月16日更新】

七宗町で生まれ育った長尾麻里さんは、持ち前の行動力と郷土愛で様々なアイデアを実行に移し、七宗町の知名度アップに取り組んでいます。高齢化と人口減少による町の活力低下や地場産業の衰退といった問題に対して、少しでも町に恩返しがしたいという一心で東奔西走しています。

人が集まるお店を目指して
美濃加茂で幼稚園の先生をしていた時期もありますが、生まれも育ちも七宗町で嫁ぎ先も町内の建設会社です。あるときケガをした義母に代わって町の商工会に出席したのがきっかけで、私も商工会の女性部に入らせて頂き、役員を拝命しました。
6~7年前に何か地元が活気づくことをしたいと話が盛り上がり、買い物に困っている地域にお店を復活させようと、賛同した3人で閉店したままになっていた食料品店の再開に取り掛かりました。
まずは役場に補助金の相談をしてみましたが、当時は該当する制度が無く、自分たちでわずかな金額を出資しました。また、地元の商店さんのご厚意でお店の設備を無償で譲って頂けたので、自分たちが用意したお金は商品の仕入れなどに使う事ができ、何とか開店にこぎつけました。私たちもそれぞれ仕事があったので営業は火曜日のみ。注文を受けて配達という営業形態も考えましたが、来店した人が買い物だけでなく会話も楽しめる場にした方が良いと考え、おしゃべりをするスペースにお茶やコーヒーも用意しました。
商店としても交流の場としても活用して頂きましたが、3年が過ぎた頃に新型コロナウイルス感染症が流行し始めました。高齢者が集まってお茶と会話を楽しむという形で続ける訳にはいきませんし、いつコロナ禍が収まって元の生活に戻れるか全く分かりません。そのためやむなく閉店・解散となりましたが、その後は補助金の整備も進み、社会福祉協議会がお店を引き継いで、コロナ禍明けからは地域の交流施設として再開しました。

商店も生産者も盛り上げたい
その後、町の花から名前を取った「石楠花(しゃくなげ)レディース」を結成して、仲間と共に地域のお店を元気にする活動を始めました。町内で作られる特産品や農産物、食料品などの販売機会を増やして知名度を上げるために、「レッキーマラソン」などの地元イベントや「道の駅ロックガーデンひちそう」で開催するマルシェで販売しています。
道の駅は町の顔だと思っているので、そこでのマルシェ開催は販売目的だけでなく道の駅を盛り上げたいという思いもあります。隣に「日本最古の石博物館」もありますし、近くには低山登山で有名な納古山があり、名古屋方面から登山に来る方も多くみえます。車やバイクの方も多く立ち寄って下さいますが、トイレ休憩だけで行ってしまう方が結構みえます。町の商品で売店に活気が出れば、道の駅に立ち寄る人も増えてお金も落ちるはずです。そのためにも商品の知名度を上げ、商店さんにも頑張ってもらいたいと思います。

木の魅力を広めるために
七宗町は山に囲まれ林業が盛んな地域ですが、木材の価値が下がり山林所有者も高齢化が進んでいるため、山も活用されなくなってきました。国産材をもっと建材として利用する事はもちろん、木を活かした加工品を作れないかと考え、木工職人と共同で木製の加湿器を商品化しました。香りの良い東濃ヒノキを使い、木に浸み込んだ水が蒸発するときに加湿と同時に香りが広がるシンプルな製品で、ふるさと納税の返礼品で爆発的にヒットしたのですが、製作を依頼していた木材加工所が廃業してしまいました。その後もアクアリウムやモイストボウルなどを製作してギフトショーにも出品し、準大賞を受賞して町や商品の知名度アップにはなりましたが、残念ながら商業的な成功には至りませんでした。
今は製造を中止している加湿器も加工所が見つかれば、小型化などで価格を抑え再販を考えています。地元の木を使った木工品を特産品として育てて、町のみんなが頑張ってみようというきっかけになればと思っています。

地元愛が力の源
新しいことに取り組むのが好きなので、人との出会いはもちろん、壁にぶつかることも含めた全てを楽しんでいます。地元住民と移住者さんとの橋渡しや、移住者向け住宅のリフォーム工事の請け負い、民生委員の中でも学校関係を担当する児童主任委員もやっています。頼まれると断れない性格なので、いつも協力してくれる家族や仲間ともに、大好きな七宗町のために活動を続けます。